神木隆之介、玉城ティナは「かっこいいやつ」撮影現場を明かす<インタビュー>
4月29日に公開された映画「ホリック xxxHOLiC」。累計1400万部を突破している創作集団・CLAMPのコミックを原作とし、「ヘルタースケルター」「Diner ダイナー」などを手掛け、独特の世界観を作り上げた蜷川実花監督が実写映画化。神木隆之介と柴咲コウがW主演を務めている。 【写真を見る】玉城ティナ、かわいすぎるツインテール姿 今回は、同作で人の心の闇に寄り憑くアヤカシが視えることで孤独に生きてきた高校生・四月一日(わたぬき)を演じる神木と、四月一日の同級生でアヤカシに憑かれる者・ひまわりを演じた玉城ティナにインタビューを敢行。同級生役を演じた互いの印象や撮影現場の雰囲気、“蜷川監督の作り出す世界観”の魅力を語ってもらった。 ■蜷川組は「仲の良いファミリー感ある現場」 ――撮影を経て改めて感じた“蜷川監督の作り出す世界観”の感想を教えてください。 神木:お会いする前は、あの独特な美しい世界観を作れる方ってどんな個性をお持ちなんだろうなと。怖い人なのかな、怒られたりするのかな…と思っていたら、全然そんなことなくめちゃくちゃ優しい方でした。結構アニメ好きな方で話も合いましたし、常に笑顔で周りを明るくしてくれる方でした。 実花さんの作る世界観には合う人と合わない人が絶対にいる、いなきゃおかしいくらいに僕は思っていたので、お話をいただいた時に「いや、僕は合わないんじゃないか」と思ったんですよ。馴染んでいるかどうかが(撮影に)入ってからも少し怖かったです。 僕自身はまだ(馴染めているか)分からないですけど、公開後に見てくださった方がどう思うかは楽しみではあります。 玉城:いやいや。もう私は「xxxHOLiC」の実写化で、まず四月一日役は絶対神木さんだろうと思いました。 神木:なんで!? 玉城:みんな思ってます。 神木:俺、「絶対本郷奏多じゃん」って思ってたから(笑)。 玉城:(笑) みんな神木さんだって思ってますから。私は、神木さんと柴咲さんと聞いて、蜷川さん版「xxxHOLiC」はもう固まっているなと勝手に安心していました。 今回私は、ひまわりという今まで演じたことがないような役を演じているのですが、監督が前作から変わらず「常に味方でいますよ」というスタンスでいてくれるので、とてもやりやすかったです。蜷川組の雰囲気は、一度現場に来ていただければすぐに感じ取ってもらえる、みんな仲の良いファミリー感ある現場だと思います。 ■神木隆之介「自分の前髪担当でした」 ――蜷川監督の現場だからこそチャレンジできたことはありましたか? 神木:僕、自分の前髪担当でした。完璧に任されていましたね。メイクさんにアイロンを借りて伸ばして、(目元が)見えるか見えないかという絶妙な長さの前髪を自分で作っていました。 ――それは、原作のキャラクターに近づけようと…? 神木:そうですね。原作のキャラクターと結構違うので葛藤があったんですけど、せめて近づけられる部分というとビジュアルだと思い、前髪のかかり方はすごく気にしました。 原作の四月一日は「ひまわりちゃーん!」みたいなハイテンションな雰囲気だったのですが、台本を見たらあまり(その雰囲気は)なかったので。 玉城:割と暗めでしたもんね。 神木:そうそう。 玉城:私は、かわいらしいビジュアルのひまわりに、自分の中でどういう風に寄せるかを考えました。制服を着てヘアスタイルを作るとひまわりにやっと近づけたなという感じがしたので、蜷川さんの衣装やヘアメイクの力は役者にとって演じやすい一つの軸なのかなと思います。 ■玉城ティナ「一瞬、普通の学園ドラマを撮っているのかなって」 ――他の共演者の方との撮影で、特に印象に残っている場面はありますか? 神木:女郎蜘蛛役の吉岡里帆さんに厚底で踏まれました(笑)。「ごめんね、ごめんね」って言われながら、「思い切りやってください」と伝えたら、思いっきり来ました。 玉城:すごかったですよね。すごいアクションされているなって。 神木:アカグモ(磯村勇斗)・女郎蜘蛛(吉岡)チームはめちゃくちゃ大変だったと思います。しかも、女郎蜘蛛は“セクシー所作指導”の方がいらっしゃって、一つ一つの動きに関してとても指導を受けていて。 玉城:決められているのもそれはそれで大変ですよね。 神木:めちゃくちゃ大変。芝居をしながら、一つ一つの歩き方とか、腰の揺らし方とか、振り返り方とか(を気にしなければいけないので)…。 玉城:蜷川さん作品はセットが目につくと思うんですけど、私が出てくる高校生パートは学校の撮影が多かったので、一瞬、普通の学園ドラマを撮っているのかなって思いました。 同級生チームの四月一日くん、百目鬼くん(松村北斗)、ひまわりちゃんは、作品の中でもちょっとほっこりできたり、みんなでお弁当を食べるシーンがあったりするので、学生さんが見た時に感情移入しやすいキャラクターなのかなって。私はやっぱり3人のパートが印象に残ってます。 ■神木&玉城が第一印象を明かす「仲良くなれないんだろうなと」 ――同作で同級生役を演じたお二人。お互いの印象はどうでしたか? 神木:本読みの時は、玉城さんとは仲良くなれないんだろうなと思ってました。 玉城:そうですね、私も思ってました。 神木:多分話さないで終わるんだろうなっていう印象が…。 ――ですが、同級生パートはすごく楽しく撮影されたと伺いました。打ち解けるきっかけがあったんですか? 玉城:(神木さんが)コミュニケーションおばけだから(笑)。 神木:僕は、呼び名が決まった時ですね。ティーとまっちゃん(松村)はそれぞれ「玉城さん」「あ、はぁ」って感じだったんですけど、僕は二人に対しての呼び名が決まったので、そこから話しかけやすくなりました。 まっちゃんは話しかけると意外と一緒にふざけてくれる人。ティーはもう前提として嫌われているなら、だったら逆にストレスがかかるくらい話しかけてやろうかなと(笑)。 玉城:いじめじゃないですか。 神木:すっごい話しかけたら、意外といいやつでした。「あれ、話せる…?」って。 ――神木さんからたくさん話しかけられていかがでしたか? 玉城:うれしかったです。緊張しいというか人見知りなところがあって、無言で座っていると「怖そう」と言われることも多いので…。座長にこんな気を使わせちゃって申し訳ないなと思いましたけど、神木さんが話しかけてくださったので、撮影時は話ができました。 神木:早めにうざがってくれたので、“話しかける人とうざがっている人”という関係性が出来て、それが良かったですね。 ■神木隆之介、玉城ティナは「かっこいいやつ」 ――撮影を経て、お互いの印象は変わりましたか? 神木:かっこいいやつだと思いました、俺は。 玉城:ありがとうございます。 神木:どっしりしてるというか、すごいハイテンションで絡んでも全く引っぱられない強さがあるっていうのはすごく感じます。 玉城:神木さんはやっぱり優しさがあるなと思いました。会う前は、いろいろな役をやられているしお仕事の歴も長いので、どういう人か想像つきにくかったのですが、すごく優しくて。どんな人の気持ちでも理解しようとしてくれるし、相手の立場に立てる人なんだなと思いました。 ――お互いに一緒のシーンが多かったと思うのですが、印象に残っているエピソードはありますか? 神木:「本番、よーい」まで話しかけていました。絶対笑わせて噛ませてやろうと思っていたので。 玉城:カメラの奥とかにいて、本当に邪魔でした。 神木:わざと視界に入るようにと思って。 玉城:私は笑っちゃうんですけど、神木さんの寄りになると完璧に演技するので、もう嫌だ…って。 ――松村さんは神木さんと一緒になってふざけていたんですか? 神木:まっちゃんは意外と中立だよね。真ん中にいますね。 玉城:その日によるっていうか。 神木:分かる。日によるかも。まっちゃんの気分次第。 ■神木隆之介「不思議な縁はあるんだなと思いました」 ――劇中では“必然”や“運命”という言葉が多いですが、お二人は運命を信じますか? 神木:信じます! 面白いですよね。ふとした時に出会った人と「こういう繋がり方をするんだ」とかがあって。 例えば作品で言うと、「義経」(2005年)で滝沢秀明さんが(源)義経をやっている時に牛若丸(義経の幼少期)を演じたんですが、その後、松山ケンイチさんが清盛をやった時にまた義経役を演じさせていただけて。小さい頃は牛若丸までしか出来なかったけど、時間を経て、出来ていないところから一生を終えるまでを演じられたんですよ。そういう不思議な縁はあるんだなと思いました。 玉城:私は、縁はあると思うんですけど、運命はそんなに決められたことではないのかなっていうタイプ。予想外のことが起きるのが面白いので、「これが運命」ってなるとそこから抜け出せない感覚になっちゃいそう。必然の方が信じているかもしれないです。