コロナ重症者が全国で急増!「東京換算」で浮かび上がった地方の惨状【一覧表付き】
新型コロナの重症者が急増している。12日の全国の重症者数は9日連続、過去最多を更新した。47都道府県の重症者数を東京の人口に換算すると、地方の深刻な実態が浮かび上がる。 小池都知事の無策パフォーマンスに消えたコロナ対策費11億円…「かるた」だけで390万円 ◇ ◇ ◇ 厚労省が8日に公表した6日時点の全都道府県の重症者数を東京換算し、重症病床の使用率を併記した(別表)。 重症者数(国基準)、病床使用率ともに東京がワーストで、大阪が続く。沖縄、京都、滋賀、奈良も東京ならば100人超のスケール。病床使用率はステージ3(感染急拡大)の指標25%を上回り、厳しい状況だ。 12日時点の全国の重症者数は、第1波のピーク(昨年4月30日)、第2波のピーク(同8月23日)と比較して約3倍増と、急激に増えている。 ■確保病床は第1波より大幅減 ところが、肝心の重症病床は第1波の頃より大幅に減っているから驚きだ。 各都道府県がピーク時に想定している確保できる重症病床は、昨年5月15日時点で4232床だったのに、今月6日時点では3673床と約13%も減っている。東京が700床から500床、神奈川が300床から200床、大阪が300床から215床、福岡が300床から110床へと縮小している。 「春の段階で、自治体は重症病床の確保を甘くみていたのは否めません。現実には、医療スタッフも含めて重症病床を確保するのは難しく、ピーク時の確保病床見込みを下方修正せざるを得なかったのでしょう」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)
病院の8割を占める民間病院がコロナ患者受け入れ拒否
しかも、現状が第3波のピークとも思えない。グーグルの感染予測(12日時点)によると、今月10日から2月6日の28日間の感染者数は23万4024人(1日あたり8000人超)。足元より感染者が一段と増えると見込んでいる。重症者は、感染者増の1~2週間遅れで増えていくとみられている。 重症者急増なのに病床減とは最悪の事態だ。多くの重症者が適切な医療を受けられなければ、救える命も救えなくなってしまう。 日本は欧米に比して、コロナ感染者は少なく、また、病床や医師数が劣っているわけではない。 なぜ、重症者が入院できないほどの医療危機に瀕しているのか。日本の病院の8割を占める民間病院がコロナ患者の受け入れを拒んでいるからだ。 「民間病院がコロナ患者受け入れによる減収を警戒するのは当然です。民間病院に増床を期待するのは難しく、これ以上、民間と“受け入れろ”“難しい”と押し問答を続けても好転しないでしょう。民間ほど収益を気にしなくていい公立病院をコロナ専用病院にして、民間病院は、公立病院のコロナ以外の患者を引き受けるというすみわけが必要です。国や自治体が調整すればできることです」(中原英臣氏) 大阪府の吉村知事は12日のコロナ対策本部で、特措法に基づき、民間医療機関に協力の指示を検討する考えを示したが、嫌がる民間が振り向いてくれるのか。 柔軟なリーダーシップが求められている。