【40代・50代のビタミンD活】ビタミンDが骨の強度を左右する! 閉経前後からは骨粗しょう症と骨軟化症(くる病)に注意して
強い骨のために、ビタミンDとともにとりたい栄養素とは?
女性は閉経に向かう更年期より前、40歳になったら骨強化のためにビタミンDを意識することが重要だ。 骨は常につくり替えられていて、成人では3~5年で全身の骨が入れ替わる。骨を新しく強くつくり替えていく努力をしないと、閉経後に骨粗しょう症のリスクが高まってしまう。 「骨の強さは“骨質”と“骨密度”、ふたつの要素で決まります。どうしても骨密度だけに話が行ってしまいがちなのは、骨質は簡単に測定できないから。 骨の成り立ちは、鉄筋コンクリートにたとえられます。骨質は鉄筋、骨密度はコンクリート。強くてしなやかな鉄筋(骨質)と、しっかり密なコンクリート(骨密度)、両方とも大事ですよね。 コンクリートだけ濃くしても、鉄筋の質がよくないと建物としては頑丈とはいえない。同じ骨密度の人でも、実際の骨の強さは異なるわけです。骨密度は悪くないのによく骨折する人などは、まさにそれでしょうね。 中を支える鉄筋(骨質)のほうは、おもにコラーゲン、つまりタンパク質でできています。外側を埋めるコンクリート(骨密度)は、おもにカルシウムです。カルシウムの吸収調節にはビタミンDが不可欠。 だから、この3つ、カルシウム・ビタミンD・タンパク質は、骨をつくる3大栄養素と覚えておいてください」
骨質の観点からは、タンパク質とともにビタミンB群、ビタミンC、鉄などが必須。骨密度ではカルシウム、ビタミンDとともにマグネシウム、リン、ビタミンKをとることも大事だ。
【教えてくれたのは】 斎藤糧三さん 医師/日本機能性医学研究所所長。1973年生まれ。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年「日本機能性医学研究所」を設立(2009年に法人化)。2017年、スーパーフードとしての牧草牛(グラスフェッドビーフ)の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。2022年、機能性医学と再生医療を融合させた治療拠点として「斎藤クリニック」を開設。著書に『サーファーに花粉症はいない』(小学館)、『病気を遠ざける! 1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』(講談社+α新書)ほか多数。 イラスト/内藤しなこ 取材・原文・画像制作/蓮見則子