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首里城火災で3500万円被害、イベント業者の苦境 失った機材の補償なく「風評被害は今も」

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沖縄タイムス

 昨年10月31日に首里城の正殿など主要な建物が全焼した火災で、前日に県が実行委員会事務局を務めるイベントの準備をしていた業者計7社が、焼失した機材3500万円分の補償を受けられず、窮状を訴えている。首里城公園を所有する国、管理する県、指定管理者の沖縄美ら島財団の間で火災の責任の所在が曖昧なまま多額の損失を被り、立ち直りに苦しむ末端の業者。「機材を失い、仕事が減り、火災原因の風評被害も受けている。救済してほしい」と嘆願している。(社会部・城間有) 【写真】首里城ホントは“黒”だった? 「中国人好みに捏造」は本当か  ■過失ないと結論  7社は、玉城デニー知事が会長を務める実行委が契約した元請け業者から、「組踊上演300周年」の式典と公演の制作を請け負った。  火災前日の10月30日、公園が閉園後の午後7時すぎから舞台を設営。火元とされている正殿には入らず、電源も別の所から引いた。電気工事士の資格を持つスタッフが、美ら島財団の職員の立ち会いの下で作業。電源のブレーカーを切った後、雨にぬれて漏電することがないよう機材にカバーを掛けて作業を終えた。  出火原因を巡っては、舞台の設営作業が関係しているのでは、という見方がSNSなどで拡散。捜査した県警と那覇市消防局は、業者に過失がないと結論付けたが、今なお根拠のない風評被害が続く。  ■責任がうやむや  舞台美術を担当した会社代表の男性は「長年責任を持って首里城の仕事をしており、われわれが火災を起こすことはあり得ない。しかし、責任がうやむやのままで、誤解が払拭(ふっしょく)されていない」と頭を抱える。  燃えた機材の撤去や廃棄にかかる労力や費用まで全額負担させられ「納得できない」と話す。保険金は自分たちの過失ではないため支払われず、実行委と元請けの契約内容も分からないという。  別の会社代表の女性は「機材を失い、捜査協力している間は仕事ができず、首里城の仕事もなくなって困っている。救済策を考えてほしい」と話した。  実行委の事務局を務めた県文化振興課は、業者の訴えに「火災の責任が明確に問われておらず、具体的に答えることができない」。公園の城郭内の管理を担当する県都市公園課は「設備の補償は、イベントの発注者と受注者、元請けと下請け業者それぞれの契約内容に基づき対応するべきではないか」との認識。「施設管理者としては、業者の損害を補償するのは難しい」と述べた。

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