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社説[コロナと観光]危機乗り越える対策を

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沖縄タイムス

 危機的状況を数字が示している。  県が発表した2020年3月単月の県内入域観光客数が前年同月から48万7700人減った。減少幅は55・2%で調査が始まった1972年以来、最大となった。  2019年度全体の観光客数は946万9200人で、18年度に達成した1千万人を割り込んだ。入域観光客数が前年度を下回るのは東日本大震災があった11年度以来8年ぶり。減少数と減少幅は沖縄国際海洋博覧会翌年の1976年以来、2番目の大きさ。  新型コロナウイルスの影響で、右肩上がりだった観光産業の成長にストップが掛かった形だ。  リーディング産業への打撃は雇用にも影を落とす。  28日に発表された3月の県内有効求人倍率は1・06倍で2019年6月以来9カ月ぶりに全国最下位となった。  玉城デニー知事は、観光客と里帰りの県出身者に「どうか今は来沖を控えていただきたい」と訴えた。  書き入れ時の大型連休を迎え、例年なら観光客でにぎわう時期だが、コロナウイルス感染拡大防止のため、県内のホテル、飲食店、レンタカー会社などは休業を余儀なくされ、街は閑散とする。  終息が見通せず6月末まで休業を決めたホテルもある。  観光は関連する業種が多く、影響は多岐にわたる。沖縄経済の屋台骨をどう守るかは県政の喫緊の課題だ。  特に県内は観光にとどまらず、中小零細企業が99%を占める。もともと体力のない企業がさらに追い込まれているのが現状だ。 ■ ■  コロナ禍は、沖縄観光がもともと持っていた課題を顕在化させている。  例えばホテルの「供給過多」の問題。県内の客室数は17年以降、毎年およそ3千室のペースで増えているが、沖縄を訪れる空路客は18年以降伸び悩んでいる。日銀那覇支店の調査では、17年に82%だった客室稼働率は19年に78%台に落ちた。  競争激化で、客室単価を千~2千円値下げしたり、稼働率が低下して経営権を手放す事業者も。  そうした中のコロナ禍で、苦しい事業者はさらに苦境に立たされている。  パンデミック(世界的大流行)は、ワクチンが開発され、治療法が確立すると出口が見えてくる。  その時までどうにか持ちこたえられる支援を行政が中心になってつくる必要がある。 ■ ■  大事なことは事業者を「コロナ倒産」させないことだ。  従業員を休ませた際に支給される国の「雇用調整助成金」は相談件数が3千件を超えるが、24日現在、県内で支給決定したのは5件にとどまる。事業者からは「手続きが煩雑」と不満の声が上がる。  県は事業者に10万、20万円の支援金、協力金を支給するが足りないとの声が相次ぐ。  休業中は売り上げ収入がなくなるばかりではなく、人件費や家賃、光熱費などの固定費が出ていく。  事業者は切迫している。必要なのは、早く、使い勝手の良い支援策だ。

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