高校生プロボウラー誕生 金沢龍谷・河内さん、史上16人目「子どもに夢与えたい」
金沢龍谷高3年でボウリング部主将の河内唯斗(こうち・ゆいと)さん(17)は、4~5月にかけて行われた日本プロボウリング協会の資格取得テストに合格した。同協会によると、今年は全国の男女計50人が受験し、合格者25人のうち高校生は1人だけ。高校生プロの誕生は、統計を取り始めた1992年以降で16人目となる。河内さんは「ボウリングを通じて子どもたちに夢を与えたい」と抱負を語っている。 【写真】勢いよくボールをレーンに転がす河内さん 河内さんがボウリングを始めたのは、金沢市兼六中2年の頃。祖父にボウリング場へ連れて行ってもらったのがきっかけだった。金沢龍谷高に入学後、ボウリング部があることを知り、入部した。 ボウリング部のコーチを務める細江裕生(ゆう)さんは、河内さんの投球について「特殊なフォームから繰り出す回転力と速度が武器」と語る。アベレージは205~210で、パーフェクトゲームを達成したこともあり、全日本ボウリング協会(JBC)のユースナショナルチームのメンバーに名を連ねる。 自宅には30個以上のボールがあり、試合会場の癖や自身の体調に合わせ、持ち込み上限の6~8個を選んで大会に臨む。投球するたびにレーンに施されたオイルが減り、転がり方が変化するのを見ながらボールの種類や投げ方を考えることが「パズルのようで面白い」と競技の魅力を語る。 河内さんは週3回の部活動のほか、1日3時間の自主練習に取り組み、ボウリング部の普和(ふわ)紘平顧問は「とにかく練習の虫」と感心する。コロナ禍で公式大会に出場できず、悔し涙を流すほど競技への愛着が深いという。 昨年から、プロ資格を取ってもJBC会員として試合に出られるようになったことが後押しになった。東京や大阪で行われた実技や筆記、面接など3回の試験をクリアし、初挑戦で合格した。実技試験は8日間で1日15ゲームを投げ、トータル1万2千点を超えるという厳しい条件を突破した。 高校生のうちは北陸を中心に活動する予定で、河内さんは「大学進学後はさらに範囲を広げ、ボウリングの面白さを伝えたい」と笑顔を見せた。