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サザンオールスターズが提示した、新しい表現スタイルとしての配信ライブ【ライブオトネタ】

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エムオンプレス

つねに音楽シーンの最前線を走る、サザンオールスターズがデビュー42周年を迎え、そのデビュー日である6月25日に“特別ライブ”と銘打った無観客での配信ライブを開催した。目に見えない不安を前に、心がすさんでしまう日々……サザンはいっそう強く、希望の光を放つ! 【画像】サザンオールスターズ ライブ写真 ---------- 【ライブオトネタ】 サザンオールスターズ 特別ライブ 2020 「Keep Smilin’ ~皆さん、ありがとうございます!!~」 2020.06.25@横浜アリーナ ※配信ライブ ---------- ■サザンにしかできないであろうライブを前に感じたこと 「さすがサザン! すごいことをやってくれた!」「サザン、いきなりこんなすごいことやっちゃって、他のミュージシャンはどうしたらいいの……」 6月25日に横浜アリーナで行われ、8つのプラットフォームにて配信された『サザンオールスターズ 特別ライブ 2020 「Keep Smilin’ ~皆さん、ありがとうございます!!~」』。この人たちにしかできないであろうものすごいライブを観終わったときに感じたのは、シンプルな興奮だけではない、冒頭に書いたような何とも言えない感情でした。 今回のライブは、コロナ禍の閉塞感溢れる社会における大きな希望となりうる素晴らしい取り組みであったことに加えて(随所にちりばめられた今の世情を読み込んだ歌詞も印象的でした)、“会場に観客を入れずに行うライブでもここまで徹底的にエンターテインメントにこだわることができるんだ”という大いなる発見を与えてくれるものでした。 そしてそれは、後進のミュージシャンにとっての“目標”になると同時に、オーディエンスから求められるある種の基準として機能していくのだと思います。これまでもサザンが果たしてきた役割、つまりは“大物”でありながら“現役のミュージシャンとして道なき道を切り開く”ということを体現していたのが今回のライブだったと思います。 ■提示したのは“新しい表現スタイルとしての配信ライブ” 「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」「希望の轍」で一気にギアを上げた序盤の展開、しっとりとしたムードを生み出した「シャ・ラ・ラ」「真夏の果実」、そして「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」「マンピーのG★SPOT」「勝手にシンドバッド」というアッパーなナンバーで畳みかける驚異的なクライマックス(ちょっとためてから「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」のイントロが始まる流れには思わず画面越しに声が出ました)、そしてアンコールラストでの「みんなのうた」……日本のポップスの歴史そのものを辿るようなセットリストをナチュラルに作れるこのバンドの迫力は当然のように健在でしたが、この日何よりもすごかったのは“会場にお客さんを入れられない”ことを“ハンデ”ではなく“チャンス”に変えてしまったことではないでしょうか。 例えば、「真夏の果実」では客席(普段のライブのようにアリーナにも椅子が用意されていました)に設置されたリストバンド型のライトが点灯。誰もいないのにそこに誰かがいるかのような、幻想的な空間を作り出しました。また、「勝手にシンドバッド」が演奏された際には、客席の中にまでダンサーが登場。この曲のお祭り感をこれまでにないレベルで盛り上げていました。“通常のライブができないから代わりに行う配信ライブ”ではなく、“新しい表現スタイルとしての配信ライブ”。この日サザンが提示したのは、まさにそういうものでした。 ■未来のライブエンタメの在り方を考えることになるだろう、ライブ P erfumeとEXILEのドーム公演が当日中止となった2月26日。この日を境に、日本のライブエンターテインメントは一気に苦境に陥りました。それぞれのミュージシャンがどうやって音楽を届けるか様々な工夫を凝らしてきたいっぽうで、“コロナ禍以前と同じ形での公演”を行えるのがまだまだ先になりそうな状況において“音楽ライブはこれからどうなっていくんだろう?”という不安はまだまだ払拭されていません。そんな中におけるサザンの前向きなチャレンジは、音楽業界のみならず、“社会の在り方が変わっていく中でどうやって生きていくべきか?”と思い悩むすべての人を勇気づけるパワーを持ったものになっていたと思います。 この先多くのミュージシャンが、“この日のサザンのライブ”をひとつの基準点として“未来のライブエンタメの在り方”について考えていくことになると思います。そして、以前は考えられなかったようなライブの在り方がきっと浸透していくはずです。その時に、我々は改めて2020年6月25日のことを思い出すことになるのではないでしょうか。“あの日のサザンのライブが、新しいライブエンターテインメントの在り方が立ち上がったきっかけだった”と。 TEXT BY レジー PHOTO BY 岸田哲平 ■SETLIST 01.YOU 02.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY) 03.希望の轍 04.Big Star Blues(ビッグスターの悲劇) 05.フリフリ ’65 06.朝方ムーンライト 07.タバコ・ロードにセクシーばあちゃん 08.海 09.夕日に別れを告げて 10.シャ・ラ・ラ 11.天井棧敷の怪人 12.愛と欲望の日々 13.Bye Bye My Love(U are the one) 14.真夏の果実 15.東京VICTORY 16.匂艶(にじいろ) THE NIGHT CLUB 17.エロティカ・セブン EROTICA SEVEN 18.マンピーのG★SPOT 19.勝手にシンドバッド [ENCORE] 01.太陽は罪な奴 02.ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~ 03.みんなのうた 【プロフィール】 桑田佳祐(vo、g)、関口和之(b)、松田 弘(ds)、原 由子(key、vo)、野沢秀行(percussion)。1978年6月25日にシングル「勝手にシンドバッド」でデビュー。

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