4.3再開を目指すJリーグが固めた「選手に陽性反応者が出た場合」の対応マニュアルとは?
世界的な大流行を意味する「パンデミック」になったと世界保健機関(WHO)から判断された新型コロナウイルスが、現役のプロアスリートたちをも直撃し始めた。 感染者および死者が急増し、全土で不要不急の外出を控える措置が取られているイタリアのセリエAでは、ユベントスのDFダニエレ・ルガーニ、日本代表DF吉田麻也が所属するサンプドリアのFWマノロ・ガッビアディーニから、新型コロナウイルス検査で相次いで陽性反応が検出された。 現地時間8日に行われた直近のリーグ戦を、ルガーニはリザーブで終えている。しかし、セリエA初の感染者が出た事態を重く見た対戦相手のインテルは、すべての活動を無期限で停止すると公式ホームページで発表。サンプドリアもガッビアディーニと濃厚接触があった選手およびスタッフ全員に検査を実施したうえで、2週間隔離する方針を決めた。吉田も対象者に含まれる可能性がある。 同じく日本代表MF原口元気が所属するブンデスリーガ2部のハノーファー96も、DFティモ・ヒューベルスの感染が判明。スペインではレアル・マドリードバスケットのトップチーム選手の陽性が確認されたことを受けて、同じ施設を利用するサッカーのトップチーム全員が隔離された。 拡大の一途をたどる事態を受けて、欧州サッカー連盟(UEFA)は加盟する55のサッカー協会の代表者とのウェブカンファレンスを17日に開催。すべての大会を対象に今後の対応を協議するなかで、フランス紙『レキップ』は今夏に開催が迫るEURO2020が来夏に延期される見通しだと伝えた。 先月下旬からすべての公式戦が中断・延期されているJリーグでは、現時点で選手および関係者に感染者は出ていない。しかし、日本野球機構(NPB)との共同で設立された「新型コロナウイルス対策連絡会議」では、今月3日に行われた第1回会議から、プロ野球を含めた選手に感染者が出た場合を含めて、あらゆる事態への対応に関して専門家チームと協議を重ねてきた。 そして、東京・文京区のJFAハウスで12日午前に行われた第3回会議では、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授(感染制御学)、愛知医科大学の三鴨廣繁教授(臨床感染症学)、東邦大学の舘田一博教授(微生物・感染症学)で構成される専門家チームによる、新型コロナウイルス感染症対策への提言がまとめられ、終了後の記者会見ではメディアにも公表された。