【待ち時間をビジネスチャンスに】多機能のEV充電ステーション シェル、欧州展開を計画
充電のためだけの場所ではなくなる
text:John Evans(ジョン・エバンス) translator:Takuya Hayashi(林 汰久也) 【写真】Iペイス、eトロン、モデル3、リーフ、ホンダe【注目度の高いEVを写真で見る】 (222枚) 石油会社のシェルは、EVの充電時間を有効活用する施設を計画している。 150kWの急速充電器が最大10台設置され、ソーラーパネルを取り付けたスタイリッシュな屋根が日差しを防ぐ。隣にはコンビニエンスストア、無料Wi-Fiスポット、郵便物の集荷所、そして清潔なトイレがある。ガソリンや軽油のポンプはない。 これは、シェルが考案する未来の充電施設だ。同社初のEV専用充電ステーションは単なる夢ではなく、来年早々にロンドンのフラムにオープンする。 シェル英国法人の営業責任者、バーニー・ウィリアムソンに話を聞いた。 「わたし達はこれをプロジェクト・エブリンと呼んでいます。ドライバーが休憩したり、クルマを充電したりできるエネルギーハブです。本格的に展開を始める時期はお伝えできませんが、シェルは内燃機関車の禁止を支持しており、外出先での急速充電器のリーディング・カンパニーを目指しています」 シェルは2017年10月、ロンドン北部のホロウェイ・ロードにあるサービスステーションで、EVのバッテリーをゼロから80%まで30分で充電できる50kWの急速充電ポイントを初公開した。その後も相次いで9か所に増設。 2021年までには、200台の急速充電器(50kW)と超急速充電器(150kW)を組み合わせて、英国全土の主要路線に設置することを計画している。今後、新たに設置・改装される充電器はすべて超急速充電器となる。 また、テスラの250kW V3スーパーチャージャーを上回る350kWの充電器を2020年末までに3台稼働させる計画だ。使用する電力はすべて再生可能エネルギーである。 充電待ちの間は、隣接する売店などで休憩を取ることができる。高価格帯の店舗で、設置が進めば充電ステーションは単なる充電場所ではなくなるだろう。