【シンガポール】糖分などの表示義務、食品にも拡張へ
シンガポール保健省は、飲料の糖分や飽和脂肪の含有度合いを明示する「ニュートリ・グレード」マークの表示を義務付ける対象を食品にも拡大する方針だ。ナトリウムなどを表示項目に含めることも検討している。高血圧・高脂血症患者の増加が深刻化していることが背景にある。 オン・イエクン保健相が22日、シンガポールで開催された世界家庭医機構のアジア太平洋地域会議で明らかにした。新たに塩やソース、調味料、即席麺といった食品を対象にする考えだ。 保健省は2022年末から、国内で販売する飲料品のパッケージにニュートリ・グレードの表示を義務化。当初は容器入り非アルコール飲料だけだったが、23年末から店頭での作りたてのコーヒーやジュースなども対象に加えた。 表示義務化後、1人当たりの砂糖摂取量は減少しているという。同省はナトリウムや飽和脂肪の含有度合いも問題視しており、飲食品と同様にニュートリ・グレードマークを表示することで両成分の過剰摂取を抑えたい考えだ。 オン保健相は、シンガポールではナトリウムと飽和脂肪の1人当たりの摂取量が適性摂取量の約2倍で、高血圧症の罹患(りかん)率は過去5年で24%から37%に上昇したと指摘。高齢者の高脂血症患者の増加も深刻で、国民・永住権(PR)保持者全体の約3分の1が罹患していると付け加えた。