練馬・フィリピンパブママ殺人未遂、66歳男に懲役12年 「非常に執拗かつ危険で悪質と言うほかない」
裁判長「あなたのためにいろいろな人が動いてくれた」
判決の主な判断要素となったのはママへの殺人未遂とAさんへの傷害だが、ふたりは公判を通して「釈放されたら何をされるかわからない」「一生刑務所から出てきてほしくない」と強い処罰感情を明らかにしていた。 裁判長は判決理由を述べた後、「被害者の処罰感情を十分にくんで判決を出したつもりだが、被害者はそれでも不十分だと思うだろうことを理解してほしい」と被告人に語りかけた。公判中、被告人は反省の言葉は述べていたものの、「被害者の立場に立ってどう感じたか」を問われた際に、答えに窮する場面があったという。 また被告人には、崩壊した家庭環境で育ち、長年にわたって暴力団に所属していた過去があり、前科も少なくないそうだ。こうした過去も踏まえてか、裁判長は被告人の目をまっすぐに見て、最後に次のように話し、閉廷した。 「これまでは自分なりの筋やルールの中で生きてきたと思うが、それはあなた独自のものであって他人に押し付けていいものではない。 (被告人は)それなりの年齢であり、これから考え方を変えることは簡単なことではないかもしれないが、ぜひ努力をしてほしい。 今回の裁判では、精神鑑定をしてくれた医師、弁護をしてくれた弁護士、更生支援計画書を作成してくれた社会福祉士など、あなたのためにいろいろな人が動いてくれた。それを忘れないで」
弁護士JP編集部