竜王戦決着の舞台で大盤解説会、タイトル保持の藤井聡太竜王「苦しかったが最後は形を作れた」
第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)第6局の2日目が行われた12日、会場となった鹿児島県指宿市の指宿白水館内にある薩摩伝承館では大盤解説会が開かれた。将棋ファンら約130人が集まり、藤井聡太竜王(22)が4連覇を果たした熱戦を見守った。 【写真】藤井竜王が和服を着替えて食べた勝負めし
12日午前9時、佐々木勇気八段(30)の封じ手が開封されて対局が再開された。午前11時から、横山泰明七段(44)が解説を、本田小百合女流三段(46)が聞き手を務める大盤解説会が始まった。
会場に設置された大型スクリーンでは、盤を挟んで向き合う藤井竜王と佐々木八段の様子が中継された。横山七段が「佐々木八段は終盤に強い藤井竜王対策として、持ち時間を中盤まで余し、終盤に使う作戦のようだ」などと解説。対局者の次の一手を予想するクイズもあり、当たった来場者には対局者やプロ棋士らによる直筆の色紙や、扇子などの記念品が贈られた。
午後3時20分過ぎ、佐々木八段が投了すると来場者からは大きな拍手が起こり、両棋士の健闘をたたえた。
対局後、2人が会場に姿を見せ、自らの対局を解説。藤井竜王は第6局を「苦しいところもあったが、最後は(勝てる)形を作れた」とした。竜王戦全体を通して「佐々木八段の工夫にうまく対応できないこともあったが、時間を使って考え、勉強になった」と振り返った。佐々木八段は「研究をぶつけられたのは良かったが、実力がまだ足りなかった。もう少し最善(の手)を指したかった」と話した。
初めて大盤解説会に来たという鹿児島市立小学校の男子生徒(10)は「時間をかけて、真剣に一手一手を指す様子がすごかった。『次の一手』で扇子をもらえたので、楽しい一日だった」と笑顔を見せた。