さよなら、国内最後のトロリーバス 富山・立山 ラストラン終える
富山、長野両県を結ぶ「立山黒部アルペンルート」を走る国内唯一のトロリーバスが30日、最後の走行を終えた。1996年の運行開始以来、観光客や愛好家ら延べ1992万4千人を乗せた。この日でアルペンルートの営業も終了。トロリーバス区間は来春から電気バスに切り替わる。 【写真】「立山トンネルトロリーバス」に向けた寄せ書き=2024年11月30日午後1時4分、富山県立山町、有元愛美子撮影 トロリーバスは、架線から電気の供給を受けて走る。かつては都市部でも走っていたが、国内で残るのはこのルートだけだった。 立山駅(富山県立山町)と扇沢(長野県大町市)を結ぶ立山黒部アルペンルート(37・2キロ)では、バスやロープウェー、ケーブルカーなど、いろいろな乗り物が楽しめる。その一つ、トロリーバスは、最高地点の室堂(標高2450メートル)から大観峰間の立山トンネル(3・7キロ)を約10分で結ぶ。 アルペンルートには、長野側の関電トンネルにもトロリーバスがあったが、2018年に運転を取りやめたため、富山側だけが残っていた。しかし、特殊な車両で、海外から調達していた部品も次第に入手が難しくなり、今季での運行中止が決まった。
朝日新聞社