【マイルCS】マイル女王グランアレグリア! 勝負を分けた残り400mの攻防を振り返る
レシステンシアの大人な逃げ戦法
先週のエリザベス女王杯は79年に阪神施行があったが、マイルCSは84年ニホンピロウイナーが勝った第1回からすべて京都で行われ、阪神での開催は史上はじめてのことだという。そんな阪神のマイルCSは海外遠征が難しい世情を反映、近年になく豪華なメンバーが集った。GI馬8頭、その全馬がマイルGI勝ち。ベストマイラー決定戦として申し分なかった。 【競馬永久保存版】単勝が一番儲かる馬券!?回収率UP ローリスク・ハイリターンな買い方(1/2) 阪神マイルGIといえば桜花賞と阪神JFと朝日杯FS。1、2番人気は19年桜花賞馬グランアレグリア、19年朝日杯FSを勝ったサリオス。そしてレースのカギを握ったレシステンシアは19年阪神JFを快時計で逃げ切った。奇しくも阪神のマイルGI勝ち馬がこのレースの中心にいた。 レシステンシアが逃げ切った19年阪神JFは前後半800m45秒5-47秒2、1分32秒7だった。次走チューリップ賞は47秒1-46秒2、前後半が逆転、同じ馬が記録したとは思えないスローペースを演出し3着。本番の桜花賞ではスマイルカナにペースを譲ったレシステンシアが、NHKマイルC以来の出走となる今回どんな競馬をするのか。 レース全体を左右するレシステンシアの逃げは後続の脚を削るようなものではなかった。北村友一騎手はスタート直後こそハナに立つよう促したが先頭に立つとリラックスさせることを優先したようだ。ガンガン行く競馬はキャリアの浅いころのものだったのか。2ハロン目に11秒0を記録したあとは11秒4-12秒0と落ち着いたラップを刻んだ。 桜花賞でレシステンシアに乗った武豊騎手騎乗のラウダシオンが番手をとる。1~3着のグランアレグリア、インディチャンプ、アドマイヤマーズに乗る騎手たちはこういった流れを読み切り、好位につけた。 対照的に、後方馬群にいたサリオスはこの地点でノーチャンスとなってしまった。阪神マイルに出走した19年朝日杯FSの回顧で「マイラーとは思えない」と評したが、これはいい意味での反応の悪さを感じたからだった。サリオスはその後クラシック路線を歩んだことで中距離型になった。かかる心配が一切ないサリオスだけに、発馬後から馬任せに位置をとっては後方待機もやむなし。上がり最速33秒1で5着。正直レースに参加しないままに終わってしまった。