【インタビュー】DeNA・森敬斗 きっかけは離さない「一番野球に対して目を向けて、長い時間向き合ってきた年だった」
心の変革と成長
シーズン終盤以降に見せた輝きを来季へのきっかけにしてみせる
【DeNA歓喜のあと 次なる戦いへ──】 大きな期待を背負った2020年入団のドライチ内野手。定位置獲得に迫るたびにケガに泣かされてきた。それでも日本シリーズの舞台で放った輝きは、確実に期待へ応えるものだった。大舞台で手にした経験と自信をきっかけにチームの中心へと駆け上がってみせる。 取材・構成=武石来人 写真=大賀章好、BBM 意識が変われば行動は変わる。行動が変われば結果も変わる。大舞台で成長を体現し、証明してみせた22歳。その背景には苦しんだ経験と多くの助言による支えがあった。 ──まずは率直に日本一の思いを聞かせてください。 森敬 CSからの流れでまさか日本一になるとは僕自身、正直思ってはいなかったので。厳しい戦いの中で、1日1日チーム全体の士気が上がり、一体感が生まれて、最後は日本一になれたことは素直によかったなと思います。 ──一方で、今季の春季キャンプはB班スタート。開幕もファームで迎えました。 森敬 オープン戦で同級生の石上(石上泰輝)が活躍していて、「このままじゃ、終わってしまう」と思いながら見ていたこともあったんです。それでも、去年ケガ(右手有鈎(ゆうこう)骨骨折)をして以降、来年こそ頑張るんだって気持ちでやってきたのは変わらないし、ぶれずに同じ方向を向いて取り組んでこられたので。 ──自身の課題に向き合えたのですね。 森敬 正直、プロに入ってから一番野球に対して目を向けて、長い時間向き合ってきた年だったと思います。それが後半戦で少し結果を出せたことにつながったのかなと。 ──意識が変わった要因は、やはりケガが大きかったのですか。 森敬 一番はそうですね。去年も「今年が勝負なんだ」と取り組んでいました。でも結局シーズンの半分を棒に振ってしまって、ずっとリハビリ。自分は何をしているんだと思っていました。多分、その期間が自分を奮い立たせてくれました。 ──森敬選手はこれまでもレギュラーに迫ったところでケガに阻まれてきました。苦しい経験をしながらも、奮起した先に見せた後半戦の活躍は見事でした。 森敬 本当にケガは毎年のようにやっていたので・・・
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週刊ベースボール