ちばてつや氏「漫画を読んじゃダメという家庭で育ちました」 菊池寛賞贈呈式スピーチで告白
「第72回菊池寛賞贈呈式」が6日、都内で行われ、授賞した作家の上橋菜穂子氏、映画「ゴジラ-1・0」でアカデミー賞に輝いた映画監督の山崎貴氏と映像制作プロダクション「白組」、政治ジャーナリストの後藤謙次氏、脚本家の大石静氏、漫画家のちばてつや氏が登壇した。 ちば氏は社会現象となった「あしたのジョー」をはじめ漫画界の第一人者として70年近く読者を熱狂させ続け、後進の発掘、作者の権利を守るさまざまな活動など、日本漫画の振興に尽力したことが評価された。 ちば氏は「漫画というのは、半世紀くらい前には取り締まられる側だった」と会場を笑わせ、「子供の頃はうちには1冊も漫画の本はありませんでした。『漫画は面白いけど毒がある』と言って、漫画を読んじゃダメという家庭で育ちました」と振り返った。手塚治虫さんらの名前を挙げ「先輩たちが負けないで一生懸命描いて、表彰されるようになった。これからも漫画をいい文化として育てていきたいと思います」と意気込みを語った。 菊池寛賞は文藝春秋創業者の菊池寛が日本の文化の各方面に遺した功績を記念するための賞として昭和27年に創設。文学、演劇、映画、新聞、放送、雑誌、出版など文化活動一般の分野で、その年度に最も清新かつ想像的な業績を上げた人・団体、永年にわたり多大な貢献をした人・団体に贈られる。
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