日本初上陸のiPhone 3Gを超分解!丸みのあるボディには理由があった
マニアの人に「好きなiPhoneは?」と問うと、3Gや3Gsという返答が多い。コンパクトなポリカーボネートボディの丸みが手に馴染む。今見るととても小さいが、当時は大きいとか、重いとか言われたものだ。
緩やかなカーブの内側に電池。プラの内側は切削加工
内部構造は、初代とはうって変わって、ディスプレイをフタにし、ボディ側に組み付ける、以降、ずっと踏襲される方式になっている。ポリカーボネート製ボディを切削加工したり、雌ネジを埋め込んだりする手法は後のiPhone 5以降のユニボディにも継続されている。 この世代から3Gとなったのだが、GSMなどもカバーするクワッドバンドということもあって、メインの基板はすごく大きい。その下にリチウムポリマーバッテリーが貼り込まれている。こうした4重構造は、歴代モデルの中でも3Gと3Gsだけという珍しいもの。 バッテリーはご覧のように本体サイズより若干小さいもので、iPhone 3G/3Gsの本体裏側の膨らみはバッテリーであると考えることもできる。3Gのバッテリー容量は1,150mAh、3Gsの容量は1,219mAhだったが、当時は現在のモデルと比べると節電性能が高くはなかったため、処理能力の割にはバッテリー消費が激しく、ガラケーに対して電池の持ちはよくなかったので(使いやすい分、ウェブブラウジング、SNSに際限なく使うという事情もあったが)、1日持たないというケースも多かった。当時は充電のために再利用可能なバッテリー『エネループ』などを持ち歩かざるを得なくなったが、この流れが後にモバイルバッテリーの隆盛を産むのだから、わからない。 処理能力が低く、通信速度も遅く、カメラは200万画素でしかもパンフォーカスというデバイスだったが、それでも後に必要となる要素はすべて揃っていたということに驚かざるを得ない。ここでのフィードバックが、4、4s、5、5sで花開いていくわけだ。そういった意味でも、非常に興味深いモデルである。