退院その日に救急搬送 ケアマネからの伝言を娘が病院に伝えそびれ…父の末路<実録マンガの舞台裏>
現役ケアマネジャーによる人気漫画
介護職13年の現役ケアマネージャーへもが、周囲で起こるドタバタな日常をマンガにした『へもでもできるもん』。恋人である江羅ぶり子さん(37歳)の父・総太さん(67歳)が病に倒れ、担当ケアマネを引き受けることになったへも。しかし常に“オレ様”気質の総太さんは、誰にも相談なく退院を決めてしまいます。案の定、家に帰ってきたその日のうちに体調は悪化。胸をつかんで苦しみ出したのでした。この時の様子を、作者のへもに聞きました。 【マンガ】本編を読む 病院へのとんぼ返りから1カ月後 へもの病院への伝言は叶えられるのか?
【介護の現場では――】
総太さんは救急搬送され、再び入院となってしまいました。昔から父ととても仲の悪かったぶり子さんは「あのオヤジは頑固で自分勝手!!」と、お茶をお酒のように飲みつつ長い愚痴をこぼします。 「次に退院するときは生活環境を整えてからにして欲しいと病院に言っておいて」とぶり子さんにお願いするへも。しかし1カ月後、またも突然「明日退院」が決定。「これはデジャブ? 何の冗談だ!?」――この状況に、へもはどう対処するのでしょうか。
――ぶり子さんはお父さんと仲が悪いとのことですが、とても一生懸命にお世話をしていると感じます
彼女はとても責任感が強いんです。「本当は放っておきたいけど、親だから」と、仕事の合間にお父さんのために走り回っています。
――お茶をお酒のように飲みつつお父さんの愚痴を言っているんですね(笑)
僕も彼女もお酒を飲めないので(笑)。LINEでも長文の愚痴が送られてきます。
――デジャブのような「明日退院」は、本当の出来事ですか!?
本当です。「ウソだろ!?」と思いましたね。「退院は生活できる準備が整ってから」という話を彼女が病院にする前に退院が決まってしまいました。僕も、彼女任せにしないで自分から病院へ連絡しておけばよかったと、このマンガを描きながら振り返って反省しました。「彼女だから」という気持ちがあったせいか、つい抜けてしまったんでしょうね。失敗した~!と思いました。 『へもでもできるもん』は、「なかまぁる」(朝日新聞社)のウェブサイトで連載中。