グーグルAI幹部が明かす「AIと共存」に2つの道筋 「Google DeepMind」で実現してきたこととは?
■AI時代の学生、ビジネスパーソンは何を学ぶべきか? AIがビジネスから生活にまで入り込んでいく中で、いま学んでいる学生や社会人になりたてでこれからキャリア形成をしていく若者たちは、AIとどう向き合い、何を学んでいくべきなのか。 「これまでがそうであったように、テクノロジーによって仕事のシフトが起きることになるはずです。その中で、私は2つの道筋をアドバイスしたいと思います。 1つは、AIそのものを発展させる道です。
数学とアルゴリズム、コンピュータ・サイエンスの知識が必要で、博士号取得者が、それ以降もAIをAGIへ到達させるまでの絶え間ない改善に取り組むことで、優れた研究と価値を発揮するでしょう。 もう1つが、AIを用いて、社会的な付加価値を高めていく道です。 基礎的な科学を修めた人にとって、プログラミングは今後もどんどん簡単になり続けると思います。日本語であろうが英語であろうが、何らかの言語を知っていれば、エージェントを作り、それらを組み合わせて、社会の問題を解決し価値を高めるために必要なものを作り出せるからです」(アジャラプ氏)
ここで重要なことは、グーグルでAIを牽引しているアジャラプ氏としても、AIそのものが社会的価値を作り出す、とはまだ考えていない点だろう。 AIによって人の作り出す創造性を高める、もしくはAIの進化に貢献して人の創造性を底上げする。そのどちらかが、AI人材としての活躍の道筋となっており、グーグルのAI戦略も、この発展を最大化するための取り組みを、加速させていくことになる。
松村 太郎 :ジャーナリスト