グーグルAI幹部が明かす「AIと共存」に2つの道筋 「Google DeepMind」で実現してきたこととは?
生成AIをいかに生活やビジネスに生かすか? 特にデジタル化が進むビジネス環境の中で、DXとともに、大きく注目されるテーマとなった。 【画像】2014年にGoogleに買収され、囲碁プログラムAlphaGoで話題となった「DeepMind」 AIに関するニュースリリースは続いている。2024年12月1日には、OpenAIが、ChatGPTに月額200ドル(約3万円)の有料プラン「o1 pro mode」を登場させ、またGoogleも「Gemini 2.0」を12月11日に発表。いずれも、推論(論理や規則に基づいて、未知の事柄を論じること)の向上を体験できる。
その一方で、まだまだ生成AIをビジネスに取り入れている人は少なく、その正確性や活用方法についても不透明さが残る。そもそも、AIの可能性について、詳しく理解している人が少ない、という問題もある。 グーグルのAI部門の幹部、セシュ・アジャラプ氏(Google DeepMind プロダクト&エンジニアリング シニアディレクター)は、生成AI活用を拡大し、グーグルが競争力を付けるために「AIエージェント」という方法を強調した。
その理由と、将来的なAI時代の人材像について、インタビューで、詳しく聞いた。 ■Google DeepMindで実現してきたこと まず「Google DeepMind」について知っておく必要がある。 DeepMindは「知性の謎を解くこと」を目標として、イギリスで2010年に設立され、2014年にグーグルに買収された人工知能を研究する企業だ。 同社を買収しつつも、グーグルも社内で「Google Brain」などでAIの研究をしてきたが、2023年4月に、Google DeepMindとして統合され、OpenAIの「ChatGPT」の台頭を猛追する体制を整えた。
DeepMindの研究成果として有名なのは、「AlphaGo」といわれる囲碁プログラムだ。2015年に発表されて以来、プロ棋士を破る成果を挙げてきた。囲碁はチェスや将棋に比べてパターンが限りなく多く、コンピュータではアマチュアレベルまでしか強くなれないことが知られていただけに、AlphaGoは大きなインパクトをもたらした。 これについてアジャラプ氏は次のように振り返る。 「なぜゲームを選んだのか? その理由は3つあります。