「ボトックス注射」の効果はご存じですか? メリット・デメリットや持続期間を医師が解説!
ボトックス注射のメリット・デメリットや注意点
編集部: ボトックス治療のメリットを教えてください。 名倉先生: 例えば、多汗症に対しては手術治療が一般的です。その一方、ボトックス注射は切らずに汗を減らすことができるため、傷も残らず、短時間で治療できるので体の負担が少なくて済むメリットがあります。また、ボトックスを注射する場所や量を細かく調整できるため、適切な量を的確な部分に注射することで、自然な印象でしわの改善をおこなうことができる点も挙げられます。 編集部: ほかにもありますか? 名倉先生: 今あるしわの改善だけでなく、将来的にできるしわも防げるメリットがあります。ボトックス注射で筋肉の動きを抑えることで、筋肉の収縮を繰り返すことによって刻まれていく表情じわを減らすことが期待できるのです。 編集部: では反対に、デメリットについてはいかがでしょうか? 名倉先生: 自由診療となるため、費用がやや高額に感じられることや、効果が永久ではないことは知っておきましょう。多汗症を例に挙げると、個人差はありますが2カ月~半年の治療効果となります。また、効果が出るまでにも1週間程度かかる点も覚えておきましょう。 編集部: ボトックス注射の注意点はありますか? 名倉先生: 「打てば打つほど綺麗になれる」というわけではないので、注意してください。例えば、額のしわが気になるからといって大量のボトックスを注入すると、筋肉の働きが弱まりすぎてまぶたが重くなることがあります。また、片側だけしわが気になるからといって闇雲にボトックス注射をおこなうと、左右差が出てくるリスクもあります。こうしたトラブルは医師の技術によるところが大きいので、信頼できる医師と丁寧に事前カウンセリングをしたうえで治療に臨みましょう。 編集部: 痛みも気になります。 名倉先生: 個人差はありますし、打つ場所や打ち方などによっても異なると思いますが、注射なのである程度の痛みは感じると思います。気になる場合は、麻酔のクリームを塗って痛みを和らげることもできるので、事前に相談してみてください。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 名倉先生: しわができてから治療するのと、できる前から対策するのでは治療の選択肢も、かかる費用も変わってきます。しわが深く刻まれてしまう前に、予防的にボトックス注射で対策することをおすすめします。また、「ただボトックスを注射すればいい」というわけではなく、打ち方や量などで仕上がりも大きく異なります。そのため、「安いから」といった理由だけで選ばず、信頼できる医師にしっかりとカウンセリングをしてもらい、納得したうえで治療を受けましょう。一度施術を受けてみて、仕上がりに不満があったり、医師との信頼関係が築けなかったと感じたりした場合には、クリニックを変えてみるのも手だと思います。