「かんべレタス」出荷本格化 生育良好で5万5000ケース見込む 館山(千葉県)
師走に入り、館山市神戸地区で特産の冬レタス「かんべレタス」の出荷が本格化している。16日、同地区の畑では生産者らが収穫作業に精を出した。
同地区で生産されたレタスは、戦後、駐留していたアメリカ軍が故国の料理に欠かせないレタスをつくってほしいと、農家に依頼し栽培を指導したのが始まりと言われている。
JA安房野菜部会館山市清浄そ菜組合(鈴木隆雄組合長)の19農家が約22ヘクタールで栽培し、首都圏などに出荷している。海に近くミネラル豊富な砂地での栽培により、甘みが強いレタスができ、他産地に比べて首都圏に近いため新鮮で人気が高く「かんべレタス」の名でブランド化している。
この日、同地区のレタス畑では、収穫作業が行われた。生産者らは、ハウスの中にあるレタスの茎を切り落とし丁寧に収穫した。
鈴木組合長によると、昨年は台風被害の影響で立ち上がりが遅れ、出荷が約5万ケースだったのに対し、今年は天候にも恵まれ生育は良好、約5万5000ケースの出荷を目指している。また近年、若い世代を中心にカット野菜の需要が多いのに合わせ、今年は新型コロナの影響でレストランなど外食需要低下の影響で消費が少なく、値は昨年に比べると半値以下だという。
鈴木組合長は「取れたてのレタスは食べる直前にカットして食べるのが一番おいしい。みそ汁やチャーハン、しゃぶしゃぶなどにして新鮮なレタスを味わってほしい」と話した。
房日新聞