ヒット作連発のレーベルが制作 アニメMV『ワンダリズム きみを呼ぶ声』 舞台は神戸「五色塚古墳」
兵庫県神戸市にある古墳を舞台にしたアニメMVが公開されている。タイトルは『ワンダリズム きみを呼ぶ声』(以下、ワンダリズム)。『呪術廻戦』などのヒット作を送り出しているアニメレーベル・TOHO animationが制作を手がけたことでも話題を呼んでいる。 【動画】MV『ワンダリズム きみを呼ぶ声』を観る 舞台となっているのは、神戸市垂水区にある兵庫県内最大の前方後円墳「五色塚古墳」。近年、神戸のパワースポットとしても注目を浴びている。アニメ制作を手がけたTOHO animationは、『呪術廻戦』のほか『Dr.STONE』『ハイキュー!!』などのヒット作も知られる。楽曲「Wonderism」は、4人組ピアノロックバンドHOWL BE QUIETが書き下ろした。 物語は……遠い未来、現在の文明が失われつつある時代。海面上昇によって地球のすべての大陸が海底に沈んでしまった世界で、人々は、船をつなぎ合わせた巨大な浮島で船上生活を送っていた。主人公【なつしま】は、ある日、空から落ちてきた不思議な石を発見。その石に導かれ、冒険の旅へと飛び出す。 五色塚古墳は、そんなSFファンタジーと繋がる「ミステリアス」な巨大遺跡だ。全長約194メートル、高さは約19メートル。4世紀後半に築かれたとされ、全国から多くの古墳ファンが訪れている。場所はJR・山陽電鉄の垂水駅からほど近いところ、明石海峡を見渡せる高台の住宅街の中。市街地の中にこれだけ大きな前方後円墳が保存されているのも珍しい。 考古学上では、古代国家ヤマト王権と深い関係があったのではないかと考えられているものの、なぜこの場所にこれだけ大きな古墳が存在しているのかは、まだ解明されていない。1965(昭和40)年に、およそ10年の歳月をかけて発掘調査と復元整備が行われたが、埋葬施設は調査されておらず、現在も謎に包まれている。 MVの公開にあたり、地元の神戸市垂水区も盛り上がりを見せている。付近を走る山陽バスでは、ワンダリズムの広告を全面に施したワンダリズム広告ジャックバスを運行。また、カフェ「LBO lespresso labo」では、古墳の形と「ワンダリズム」のロゴをあしらったカフェラテを提供している。五色塚古墳には、主人公・なつしまのパネルを展示。たるみ観光大使キャラクターの「ごしきまろ」とワンダリズムとのコラボグッズの手さげ袋を手に入れることもできる。 同市では、MVをきっかけに、五色塚古墳をはじめとする垂水区の魅力をより多くの人に知ってもらいたいと、「謎解きウォーク」イベントも企画中。アニメの中で展開されているさまざまな謎を解き明かしながらゴールを目指す内容になる予定で、今年夏ごろの開催を目指している。 神戸市市長室 広報戦略部の田名部重則さんは「ワンダリズムの舞台となったのは、1990年代の人類の英知を結集したような存在である明石海峡大橋と、同じく、1600年以上前に当時の人類の技術が結集して造り上げられた五色塚古墳。たくさんの人に観て、聴いていただきたいと思っている」と話した。 『ワンダリズム きみを呼ぶ声』 原案・コンセプトデザイン:しの アニメーション:グレンズそう 企画プロデュース:武井克弘(東宝) 音楽:HOWL BE QUIET「Wonderism」(APARTMENT) (C)Kobe City ※ラジオ関西『サンデー神戸』2022年5月15日放送回より
ラジオ関西