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墓に行って死ぬかと思った話…14年前、秋川雅史『千の風になって』は日本人の“墓参り観”をどう変えた?

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文春オンライン

 コロナ禍で、いつもとは違うお盆となった2020年。今年は、帰省を我慢した人も多いだろう。JR東海、東日本両社によれば、8日、東京駅発の東海道新幹線自由席の乗車率は最高50%。東北新幹線自由席の乗車率は5~20%。お盆休み最終日の16日も、例年ならUターンラッシュで大変だが、今年はニュースに映る新幹線の駅も閑散とし、高速道路もガラガラであった。 【写真】話題の“VR墓参り”、「千の風になって」の秋川雅史など…この記事の写真をすべて見る(全7枚)

2万7500円の“VR墓参り”とは?

 ただ、ピンチはチャンスを生む。こんな事情だからこそ、全国各地で盛り上がったのが、墓参りや供養のニューウェーブである。  まず、僧侶の読経をライブ映像で共有できる「リモート供養」。これは互いの感染リスクも軽減できるだけでなく、周りを気にせず足を崩し、ゆっくり故人をしのべると評判を得ていた。  墓参りでは、これまで「他人に任せて意味あるの?」派も多かった代行サービスの利用者が急増。直接行くことにこだわっていたら、いつ行けるかわからないという状態が、「なんか抵抗があるよね」というハードルを一気に低くしたと想像できる。  全国の石材店で組織する「全国優良石材店の会」に至っては、なんと紙製のVR(仮想現実)を使って疑似体験ができるという未来型サービスを提供。ついに墓参りにもバーチャル・リアリティの波が……。料金は2万7500円(税込み)からで、これが安いのか高いのかやってみないとわからない。が、「自分が行った気になれる」ことにこだわる人には、もってこいだろう。私もいつか利用してみたい。

なぜ『千の風になって』は心にしみるのか?

 さて、墓参りの時期に思い出す歌といえば、やはり『千の風になって』である。「私のお墓の前で泣かないでください そこに私はいません」と歌うこの曲が大ヒットしたのは、2006年。それから3年も続けてNHK紅白歌合戦で歌われるロングヒットになった。  考えてみれば、亡くなった人を偲ぶ歌は多いが、亡くなった人が語りかけてくれるスタイルはあまりなかった。『千の風になって』がものすごく心に沁みるのは、それが理由だと思う。私も聴いたとき、死んだ父が「そばにいるで!」と言ってくれている感じがして、すごくホッとした。これを歌っているのが、テノール歌手の秋川雅史というのも大きい。凄まじく良く響く声で感情表現を必要以上に乗せず、ニュートラルに歌ったからこそ、多くの人の思い出にスッと馴染んだのだと思う。

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