「ああ、これがライカか…」実際に触れて初めてわかる、僕らがライカの虜になる理由
その場の空気感まで“映す”「ライカ アポ・ズミクロン F2/43mm ASPH.」の高い表現力
作りの良さからくる満足感もありますが、もちろんカメラとしての性能も素晴らしいです。特にレンズには非常に満足しています。 搭載されているレンズは、特別に設計された最高峰の光学性能を誇る「ライカ アポ・ズミクロン f2/43mm ASPH.」です。 人間の視野に近い43mmの標準焦点距離を持ち、風景からポートレートまで多様なシーンで活躍します。 レンズは開放からシャープで、抜群の解像感を誇ります。自然なボケが写真に立体感を与え、歪みもなく発色も美しい仕上がりです。 開放F値は2.0と、単焦点レンズとしてはやや控えめですが、撮り方次第で十分なボケ味を得られます。 滑らかなボケが被写体を印象的に浮かび上がらせ、オートフォーカスも人物の瞳をしっかりと認識。歩きながらの撮影でもきっちりとピントが合いました。 歪みがなく、高いシャープネスと色再現性でその場の空気感をリアルに描き出してくれます。高解像センサーとの相性も抜群で、レンズの性能が最大限に発揮されています。 また、単焦点レンズでありながら、43mm~150mmのズームレンズのような感覚で使うことも可能です。 6000万画素の高解像度センサーを活かし、撮影後のトリミングによってさまざまな焦点距離での表現が可能です。 デジタルズームを使用する際にはフレームが表示されますが、150mm相当のズーム時にはフレームが画面に対して非常に小さく、AF枠などが重なると被写体がほとんど見えなくなることもあります。 JPEGでの撮影ではトリミングされた状態で記録されますが、RAWでは全体が記録されています。また、RAW現像ソフトによっては撮影時のトリミング情報が記録されており、現像時にその情報を活用することも可能です。 RAWで撮影する場合、後からトリミングしても同じ結果が得られるため、正直なところ、撮影時にトリミング設定を行う必要はないかもしれません。ただ、撮影時に画角のイメージをつかみやすいのはメリットといえるでしょう。 マクロ撮影にも対応していますが、マクロモードで撮影するにはレンズの根元にあるモードを切り替える必要があります。通常モードでは最短撮影距離が60cmのため、被写体にあまり寄ることができません。 マクロモードでは最短撮影距離が26.5cmと、かなり寄っての撮影が可能です。近接撮影でも解像性能が落ちることなく、シャープな描写を実現します。被写体にかなり近づくため、多少の歪みが出ることはあります。 寄りが利くため、テーブルフォトなどにも活用できますが、マクロモードで撮影した後にノーマルモードに戻し忘れ、次の撮影時に「あれ?」となることが多々ありました。慣れの問題ではありますが、マクロ撮影には独特の操作感が必要です。 本機専用に設計された「ライカ アポ・ズミクロン F2/43mm ASPH.」は、高い描写性能を誇るレンズです。 Mマウントの「ライカ アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.」が130万円を超えることを考えると、アポレンズとフルサイズセンサーが一体となった「ライカQ3 43」の価格が税込みで110万円というのは、実は結構なバリュープライスなのかもしれません。