国産合金が多機能傾斜材料開発。硬さ・靱性など異なる特性付与し金型・工具を長寿命化
超硬合金製品メーカーの国産合金(本社・東京都中央区、社長・山下祐氏)は多機能な特性を有する「傾斜材料」を開発した。一つの超硬素材・製品の中でも、場所によって硬さや耐衝撃性、靭性など異なった複数の特性を付与可能な材料。金型や工具の長寿命化に貢献できる。技術力で付加価値が確保できる材料として期待しており、現在はサンプル出荷段階。 同社ではタングステンをベースとした超硬合金「ハードロイ」の製品や素材を製造・販売。「傾斜材料」はその原料粉末の成分や積み方、積層した粉末を焼き固める際の条件などを工夫して開発した。 自社製品として販売している金型の材料や工具メーカーに供給する素材などとしての事業化を目指している。 プレス金型などでは加工に用いる先端部分を硬くし、他部品との接続部では靭性を高めて割れにくくするなど、場所ごとに求められる特性を与えることで、製品寿命を長くできる。長寿命化によってユーザーのトータルコストを低減できることが利点。現在までに工具メーカーに対してサンプルを供給した実績がある。 同社は金属関連の事業会社を傘下に置く由紀ホールディングスの構成企業で、1939年に東京都品川区で操業開始。超硬合金製の粉末冶金製造用金型が主力製品となっており、横浜市都筑区に工場を有している。