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[ニュース分析]遠隔授業で中位圏の成績下落…ますます広がる教育格差

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ハンギョレ新聞

新型コロナによる遠隔授業の長期化への懸念 高校2年生の中間テスト、数学で平均10点下落 上位圏は「自己主導学習」で成績維持 中位圏は60点台以下に落ちる 私教育の影響をそれほど受けない国語は変動なく 下半期にも遠隔授業の可能性 教育課程を削減せず、同じ分量の授業 進度についていけず「学習欠損」積み重なるばかり 教育団体「補充・補正学習が必要」

 今年4月、史上初の「オンライン授業開始」で、大韓民国の教育は「遠隔授業」という一度も行ったことのない新しい道に進んだ。政府の「生活の中の距離措置」転換に合わせ、5月20日から登校授業が順次再開されたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の地域社会の拡散が相次ぎ、学校現場は依然として遠隔授業への依存度が高い。今年下半期にCOVID-19の2次大流行に見舞われるだろうという予測が出ており、遠隔授業が中心となる状況は長期化する可能性が高い。学校が閉鎖している間、家庭の役割がより大きくなり、階層間の教育格差がさらに広がるのではないかという懸念が高まっている。  一部の教師たちは、登校開始後に行なった中間テストで、上位圏の生徒はそのままである一方、中位圏に属していた生徒の成績が下位圏へと下がる現象に注目している。全羅北道地域の一般高校の教師のAさんは、6月の第3週に実施した中間テストの結果について、「内申書1~2等級の上位クラスの生徒たちの成績は例年とあまり差がなかったが、3等級以下から英語・数学を中心に点数が下がった」と述べた。通常90点台から80点台、70点台、60点台が均等に出るものだが、特に数学科目で70~80点台に集中していた中位圏が60点台以下へと下がったケースが多かったという。Aさんは「生徒たちも成績が下がったことに驚いたのか、科目別に個別指導の申請を受けつけてみたところ、中位圏の生徒たちの申請があまりに多くて手に負えないほどだ」と伝えた。  「中位圏の成績下落」現象は同校だけの問題ではない。ソウルのある一般高校の教師のBさんは「高校2年生の中間テストの結果を昨年2学期の成績と比較してみると、国・英・数、特に数学の平均点が例年に比べて10点ほど下がった」と述べた。紙筆評価の割合が高く、私教育を受ける割合が大きい数学科目の特性が反映されたものと見られる。一方、国語の場合、相対的に私教育の影響が少なく、授業時間に行われる遂行評価が多いため成績の変動が大きくはなかったというのが教師たちの分析だ。  高校のように成績順位を出さない小学校や中学校まで含めれば、子どもの遠隔授業を支援しにくい低所得層や一人親家庭、祖父母と孫だけの家庭などの社会的弱者層では「学習欠損」問題が深刻だという懸念が出ている。『新型コロナ、韓国教育の眠りを覚ます』の共著者であるファン・ソンヒさん(江原大学教育学科講師)は、「学校以外に勉強を頼るところがない社会的弱者層の生徒たちには、教室で先生や友人との相互作用が学習を続けるのに一定程度の役割を果たすが、対面授業が少なくなればそれだけ学習欠損問題が生じる」と懸念を示した。京畿道のダオン小学校教師のイ・チュンイルさんも7日、国会で開かれた討論会(新型コロナ後、韓国の教育に何を込めるか)で、「遠隔授業が行われる空間である家庭環境の違いが、教育的差別を誘発する主な原因となる。多文化家庭や祖父母と孫だけの家庭、障害のある生徒が最も脆弱な立場にいる」と話した。  その反面、親が遠隔授業を積極的に支援したり、私教育の活用度を上げるような場合には、対面授業が減っても打撃を受けない。自己主導学習が可能な上位圏の生徒も同様だ。ファン・ソンヒさんは「豊富な資本力に頼って学校教育の空白を私教育に代替できる中上流層の親や、一日中子どものそばで全面的な子どもの管理が可能な専業の親は、遠隔授業を一種の“好材料”とまで認識している」と指摘した。  教育当局でも、このような問題を知らないわけわけではない。ユ・ウンヘ社会副首相兼教育部長官は先月24日、「登校延期」に関する大統領府国民請願に答え、「家庭での遠隔授業の過程で発生する教育格差は、韓国教育のまた別の悩みになりうるため、登校授業という難しい決断を下すことになった」と明らかにしている。ソウル市のチョ・ヒヨン教育監も先月30日の記者会見で、「(遠隔授業で)基礎学力不振の生徒が多く発生する恐れがあるという報告を受けている」と明らかにした。  しかし、教育当局はこうした「学習欠損」問題が顕在化しているにもかかわらず、防疫だけに追われ適切な対策を打ち出せずにいる。教育市民団体「私教育の心配のない世界」は「登校授業日数が不足している状況で、教育課程は削減なしに同じ分量で運営され、教師は主要教科を中心に『進度を進める授業』をせざるを得ない状況」だとし、「このように早く進められる進度のスピードに追いつけないと、そのまま学習欠損につながる」と懸念した。教師のBさんは「今は正規の授業もまともにできていない状況なので、どう対策を立てればいいのか分からない」と吐露した。  今後、教育格差による問題がさらに広がることを懸念する声もある。「教育を変える人々」のイ・チャンスン代表は「9月にCOVID-19が沈静する局面になったとしても、一度『学習欠損』を経験した子どもたちは次の段階を学ぶ準備ができていないだろう」とし、「彼らのための補充・補正学習が必要だが、そんな時間を作ったり投資する資源が準備されていない」と指摘した。チョン・ギョンウォン元全教組真の教育研究所長は「家庭でケア機能を満足にできない小学校低学年の生徒の学力水準低下が最も憂慮される部分なので、代案作りが急務」だとし、「教育当局は入試を目前にした高校3年生に対する心配をしているが、今後高校1年生と高校2年生たちの中でさらに大きく広がる格差問題にも備えなければならない」と述べた。 イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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