~実録・闘病体験記~ 前立腺がんとの共存と、無症状でも検査を受ける重要性
前立腺がんは気づきにくく、ゆっくり成長するがんです。自覚症状もほとんどありません。闘病者の齋藤浩哉さんは、無症状のうちに人間ドックでがんが見つかりました。そんな齋藤さんに、前立腺がん発見の経緯から治療、治療後の副作用、当時の生活などについて話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年10月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
無症状のまま人間ドックで発見される
編集部: はじめに病気が判明した経緯について教えてください。 齋藤さん: きっかけは2015年7月の人間ドックでしたね。当時52歳で、何かで50歳を過ぎたら前立腺がん検診が推奨されているのを見て「受けた方がいいかな」と思い、受診しました。PSA(前立腺特異抗原)検査の結果は、基準値を少し超えたグレーゾーン。保健師さんからは、まだ若く基準値を少し超えただけですが、3か月後に再検査を受けましょうと言われました。 編集部: 再検査ではどのように調べたのでしょうか? 齋藤さん: 前回と同じくPSA検査を受けました。再検査でさらに数値は上昇し、その上昇幅が大きいため、その場でエコー検査と触診をされました。医師から「がんの可能性もあるので、念のために生検を」と言われ、思いもよらない「がん」という言葉にショックを受けました。生検を受け2週間後、医師から「細胞を12本取りました。その1本から極少量ですが、がんが見つかりました」とあっさりとしたがん告知を受けました。 編集部: 病気が判明したときの心境はどうでしたか? 齋藤さん: 結果を一緒に聞いた私も妻も「えっ」と絶句したことを覚えています。実は、その年の2月に娘が耳下腺の良性腫瘍摘出術、8月に母親が大腸がんの摘出術をしており、私が家族で3人目でした。ただ、生検結果が出るまでの2週間、前立腺がんについての情報を調べていましたし、最初にPSA値がグレーゾーンと言われていたので、がんの可能性もあると、それなりに覚悟していました。