富山の「ますすし」はメチャクチャ種類があった事実。定番から地元人気品まで4種食べ比べ
富山の郷土料理、ご当地グルメの筆頭と言えば、なんと言っても「ますすし」です(『ますのすし』とも)。江戸時代から地元に根付き、かの吉宗も賞賛したというその味わいは、上品ながらも一度食べたら忘れられなくなるほど。北陸エリアの主要駅のお土産コーナーや各地で開催される富山物産展などでよく売られているので、中には「富山には行ったことがないけれど、『ますすし』の味わいだけは知っている」という人も多いかと思います。 【各社のパッケージをもっとよく見てみる】 その「ますすし」の筆頭は、パッケージに「ます」の絵がダイナミックに描かれた「ますのすし本舗 源」ですが、実はこれ以外にも地元にはいくつものブランドがあり、富山県人の間では「好みごとに指定ブランドがある」という話もちらほら。 富山駅隣接の土産販売エリア「とやマルシェ」内には「越中鱒寿し富乃恵」という地元の「ますすし」ブランドをずらりラインナップするお店もあります。その数に圧倒される一方、県外の人間からすれば「どの『ますすし』を選ぶべきか」と、つい迷ってしまうのも正直なところ。そこで今回は、富山に複数ある「ますすし」ブランドから4つをピックアップ。食べ比べしながら、それぞれの「ますすし」の個性に迫りつつご紹介します。
【川上鱒寿し店】半レアの鱒の身がうますぎる一品!
まず最初は地元でコアな人気を誇るという「川上鱒寿し店」の「鱒寿し・1段」からいただきます。「川上鱒寿し店」は大正15年創業で、スタンダードな「ますすし」の製法を守りながらも、独自の繊細な作り方をしているのが特徴とのこと。上品なのに忘れられないその味わいに、売り切れてしまうことも多いとのことですが、果たして実際の味わいはどんな感じでしょうか。 まず、鱒の身は半レア状態で押しすぎていない点が筆者の好みとも合致。そして、酢飯は甘酢を使っているのか、それほど酸味が強くなく、お米の風味をギリギリまで引き出している印象。 これらが合わさることで優しい味わいを実現しており、上品な旨みが口いっぱいに広がります。地元で人気というのも十分納得。特に舌の肥えた人にオススメしたい一品だと思いました。