【南野拓実ゴール】「鮮やかすぎる先制点」に秘められていた“一度だけの魔法”
【イングリッシュ・プレミアリーグ サウサンプトンvsチェルシー 2021年2月20日(日本時間21:30キックオフ)】 【動画】サウサンプトン南野拓実の魔法のようなゴール 完璧なボールタッチで決める フラットな4-4-2の左MFとして先発出場した南野拓実だが、ボールの位置によってそのポジションは変化していた。 トーマス・トゥヘル監督になってパスを繋ぐスタイルに変化したチェルシーに対し、サウサンプトンはなかなかボールを触れなかった。我慢の時間が長くなったが、そのような展開だからこそ、南野のポジショニングを状況ごとに正しく捉えることが可能だった。 守備では、相手陣内にボールがある場合、南野は4-3-3の左ウイングに位置した。3バックでビルドアップしてくるチェルシーに対して同じく幅をとることにしたサウサンプトンだったが、そこからマンツーマンでプレスをかけるわけではなかった。これはあくまでもその後の展開に対応しやすいバランスを保つためのものだ。 ボールが自陣に入ると、後方の4-3はそのまま引き、南野は左ウイングから前線と4-3のディフェンスブロックの間に動いた。これもまた、攻守のどちらにも動きやすくするためにバランスを保つためのものだ。 ここまでの動きで、南野は4-4-2の2列目の中では最も守備の負担が軽減されていることと、バランス調整係になっていることがわかる。
■チームでの南野の明確な役割
相手のボールがラスト3分の1のところまで進むと、南野は4-3のディフェンスに加わり、最終的にはサウサンプトンはバイタルエリアを4-4で守る状態になった。 サウサンプトンはチェルシーのボールを奪えず、結局、毎回4-4で守ることになるのだが、南野は毎回守備での約束事を順に消化していった。規則に忠実に動き、与えられた役割をしっかりこなす選手、そういう印象だった。 守備から攻撃に切り替わると、南野はまず自陣内で左サイドに張りついた。これは後方でボールを繋ぐための道を作る役割だ。 そして、ボールが落ち着いてチームが攻撃態勢に入ると、南野はサイドではなく中央にポジションを取った。トップ下の位置でデコイの動きを見せたり、ボールをスルーしたりした。ボールを持って前を向くプレーはないものの、2トップにゴールを奪わせる動きを繰り返した。 南野がゲームでどのような位置を取り、どういう動きをするプレイヤーなのかは、このようにはっきりしていた。