ひろゆき氏が「嘘をつく方が得だと皆が気付く」と見通す理由
特集『総予測2021』(全79回)の#56では、元2ちゃんねる管理人で実業家のひろゆき氏が、論争や炎上のこれからを読む。ひろゆき氏が見込むのは、政治家も企業も個人も「嘘をつくほうが得」だと気付く社会の姿だ。(ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣) 【この記事の画像を見る】 「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。 ● 「嘘つきだ」と指摘されても 大したデメリットにならない 2021年には、何か嘘をついた方が得するということを皆が理解するんじゃないかという気がしています。政治家も個人も企業においてもです。 トランプ米大統領がメディアから嘘を指摘されても、いくら指弾されても、米国の半分近くの票を取ったわけじゃないですか。 日本でも、森友学園に関わる公文書改ざん問題を巡る国会答弁で、安倍政権が139回、事実と異なることを言ったと衆議院調査局が明らかにし、また「桜を見る会」前日の夕食会をめぐる問題で、安倍前首相が118回、事実と異なる国会答弁をしていたと明らかにしました。
個人でも、経歴を詐称して儲けている起業家とかいますよね。それをバッシングする人はいるけれども、特に刑事罰が下るわけでもなく、そのままだったりする。 誰かに「あなたは嘘つきだ」と指摘されても、大したデメリットはない。嘘をついても大丈夫だと。 企業においてもそうです。水素水とか科学的には何も意味がない製品を、結構な大手メーカーが出して、何事もなく売り切っていた。 マイナスイオンをうたう製品なども、科学的な根拠はないのに、何となくよさそうというイメージで売っていたりする。 新型コロナウイルスへの予防効果があると標榜する空間除菌(二酸化塩素配合商品)などもそうですよね。 「効果などない」「いかがなものか」と異を唱える人はたくさんいるでしょうが、そうした声はさほどの影響を与えない。 米国の場合、例えば「水素水が体にいいと書いてあるが、嘘ではないか」と訴えると、懲罰的賠償で大金を取れたりする。企業も大損する可能性があるので、なるべく嘘をつくのは避けようという正常化のシステムが備わっている。クレーム隠しなどしようものなら大問題になりましたよね。 日本の場合は、商品を返品されて終わりです。米国のように嘘だと訴えられて懲罰的賠償を請求されるわけでもないので、日本は出したもの勝ちなんです。ペナルティがない。