【九州場所】玉鷲の〝鉄人記録〟はどこまで続くのか? 兄弟子は「また来年もではなく…」
大相撲九州場所(福岡国際センター)は24日に千秋楽を迎える。大関琴桜(佐渡ヶ嶽)と大関豊昇龍(立浪)による相星決戦に注目が集まる一方で、今場所も「角界の鉄人」が数々の記録で存在感を示した。 幕内玉鷲(片男波)は7日目の16日に40歳の誕生日を迎え、昭和以降6人目となる40代の幕内力士に。その節目を白星で飾った取組後は「本当に良かった。自分へのお祝い」と笑顔をのぞかせた。12日目には通算出場記録で高見山の1654回を抜き、単独7位に浮上。13日目には4人目となる40代での幕内勝ち越しを決めた。 モンゴルから来日して20年あまり。兄弟子の熊ヶ谷親方(元幕内玉飛鳥)は「玉鷲が19歳で部屋に来た当時は1月で、東京はめちゃくちゃ寒かった。玉鷲はパンツ1枚で『暑い、暑い』と窓を開けるんですよ。部屋の兄弟子が『寒いから閉めろ!』と怒っていた(笑い)。それが今は、九州場所で『寒い、寒い』と毛布にくるまっている。納豆も初めは食べられなかったけど、今はめちゃくちゃ好きで毎日食べている」と入門当時を振り返る。 弟弟子による数々の偉業達成には「うれしい。まさか、あの玉鷲が。初めは苦労したと思う。ここまで本人が努力してきたことだと思うし、尊敬します」と称賛。今後に向けては「最後は年齢には勝てないですから。そこは少しでも、一番でも長く相撲を取ってもらいたい。『また来年も』ではなく、一場所一場所、一日一日が勝負になってくると思う。その結果として結果や記録がついてくる」とエールを送った。 その玉鷲の次なる目標は、史上2人目となる40代での三役力士。今後も鉄人の土俵から目が離せない。
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