年末年始の国内線旅客、昨年の半分以下 “GoTo”停止響く
全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)、スカイマーク(SKY/BC)など航空10社は1月4日、年末年始の利用実績を発表した。対象期間は2020年12月25日から1月3日までの10日間。国際線は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による各国の出入国規制で各社とも運休や減便が発生したことにより、旅客数と提供座席数が前年を大きく下回った。例年であればロードファクター(座席利用率、L/F)が8割台に達する国内線は、政府が観光支援事業「Go To トラベルキャンペーン」の一時停止を決めたことにより、伸びが鈍化した。 10社の発表値を合計すると、旅客数は国際線が前年同期比95.5%減の3万2007人。国内線は57.3%減の146万4436人で、昨年の半分以下に落ち込んだ。提供座席数は国際線が82.3%減の15万228席で、国内線は19.0%減の341万9809席だった。10社平均のL/Fは国際線が63.0ポイント低下し21.3%、国内線は38.4ポイント低下し42.8%となった。 11月下旬から、新型コロナウイルスの感染者が全国的に増加。観光庁が進めている「Go To トラベル事業」は、12月28日から1月11日まで適用を一時停止している。 ◆ANA ANAの旅客数は、国際線が前年同期比94.9%減の1万5933人で、国内線が58.4%減の62万5279人。提供座席数は国際線が80.1%減の7万6622席で、国内線は17.1%減の155万7380席となった。L/Fは国際線が61.0ポイント低下し20.8%、国内線は39.9ポイント低下し40.1%だった。 国際線は各国での出入国制限の継続により、全方面で需要が大幅に減退。国内線の旅客数はGo To トラベルの全国一斉停止を受け、伸びが鈍化した。 期間中のピークは、国際線は下り(日本発)が1月3日(33.0%)、上り(日本着)は12月27日(25.5%)。国内線は下りが12月26日(62.2%)、上りが1月3日(60.1%)が最も高い値となった。 ◆JAL JALグループの旅客数は、国際線が前年同期比94.5%減の1万5068人で、国内線は62.3%減の42万7190人。提供座席数は、国際線が77.0%減の7万1572席、国内線は29.9%減の98万2147席となった。L/Fは国際線が66.9ポイント低下し21.1%、国内線は37.3ポイント低下の43.5%だった。 国際線と国内線は、いずれも予約が低調に推移。国内線はGo To トラベルの一時停止により、旅客数が落ち込んだ。 国内線の期間中のピークは、下りが12月26日(59.4%)、上りが1月3日(54.3%)となった。 ◆スカイマーク スカイマークの旅客数は、国内線が前年同期比45.4%減の12万5189人、提供座席数は4.0%増の27万4704席。L/Fは41.2ポイント低下し45.6%となった。2019年11月29日に成田-サイパン線を開設し参入した国際線は、当面の間運休している。 搭乗日別のL/Fは、下りが12月26日(61.4%)、上りは1月3日(55.3%)が最も高い値となった。
Yusuke KOHASE