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競泳の元五輪代表、サプリメントでドーピング違反に。「水泳を一度諦めた」古賀淳也の復帰までの2年

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ハフポスト日本版

限られた現役生活を過ごすアスリートにとって、2年のブランクはあまりに長い。(浜田理央 / ハフポスト日本版) 競泳の2009年世界選手権100メートル背泳ぎ金メダリストで、リオ五輪代表の古賀淳也選手は、この5月にドーピング違反による資格停止が明けた。 当初は4年の処分が出され、未来が閉ざされた絶望感で「死」を意識した。 「水泳を一度諦めた」という古賀選手。この2年は何を感じ、どう復帰にこぎつけたのか。つまづいたからこそ、見えた課題や伝えたいことがある。

ドーピング違反通知、「死」がよぎった

「もうパニックでした」 2018年3月の抜き打ち検査。「禁止物質が検出された」という違反通知に、古賀選手は衝撃を受けた。 国際大会に出るトップアスリートは、定期的にドーピングの検査を受ける必要がある。これまで大会時や抜き打ちで年5回ほどあったが、いつもと違う結果が待っていた。 提出した別の尿検体での再分析を求めるか、そのまま国際水泳連盟(FINA)の聴聞に臨むか。そこで出された処分に不服の場合、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に申し立てできるという流れになる。 「冷静でない中で選択を迫られ、ものすごいプレッシャーを感じて、どう動けばいいか分かりませんでした」 再分析の間に、弁護士を頼って手探りで聴聞会への準備を進めた。突然未来が閉ざされたような絶望感に襲われ、「死」が頭をよぎった。 「1週間は、朝起きてソファに座って、テレビを眺めて気づいたら夜、という生活でした」 「死を意識するというか、ベランダがすぐそこにある。『飛べばすぐ死ねる』とまで落ち込みました。外に出るのも、誰かに知られているのでは、どんな目で見られるのだろうとすごく気になって... ご飯も食べられず、1週間で8キロぐらい体重が落ちました」 古賀選手の尿検体から検出されたのは、いわゆる“ドーピング禁止物質”。例えば、気管支拡張効果のある物質や筋肉増強効果のある物質、利尿薬など禁止物質を使用したことを隠蔽するために用いられる物質などが含まれる。 この場合、禁止物質の摂取が「意図的でない」と立証できなければ4年の資格停止。立証できれば2年以下に短縮される。 古賀選手が出した答えは「水泳は一度諦める」。意図的に摂取したものではなかったと証明する覚悟を決めた。FINAに対して、その当時摂っていたサプリメントにラベル表記に記載のない禁止物質が混入していたと訴えたが、認められなかった。 CASに不服を申し立て改めて主張・立証活動を行った結果、2019年夏、古賀選手側の主張が認められた形となり、当初4年だった処分が2年に短縮された。検査からは1年以上が経っていた。 「4年なら諦めていましたが、2年ならまた戻れるかもしれない。水泳を続けたいと話していました」

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