史上最高の甘さ? ココイチはなぜ「5甘」を導入したのか
アイデア提案は誰でも可 けど険しい商品化への道
さらにココイチには、各地域で異なる「ご当地メニュー」もある。例えば、名古屋であれば「名古屋赤みそカレー(中区矢場町店)」、神奈川であれば「よこすか海軍カレー(横須賀本町三丁目店など)」と、その土地を代表する食材やグルメがカレーのトッピングに。これらは、どのように開発されているのだろうか? 「ご当地メニューなどの開発は当社で『ストアレベルマーケティング』と呼び、ココイチに従事する人間であれば誰でも参加できます。実際に、パート従業員のアイディアが商品になった例も多々あります」 アイデアの提案は誰でも可能だが、商品化となるとその道は険しい。すべての商品候補はスーパーバイザーや営業部長による審査が繰り返し行われ、最終の社長審査に通れば晴れて商品化となる。何度も何度も却下されながらも、そのたびに企画を練り直してやっと実現するというケースも珍しくないという。 最終である社長審査に通る決め手を森田さんに聞くと「商品としての完成度だけではなく、その店舗で商品を導入する意図(ストーリー)が重視されます。強い想いをプレゼンテーションで社長にしっかりとぶつけられるかがポイントですね」と話していた。 一方で「甘さを選べる」システムはストアレベルマーケティングではないが、導入にあたり試行錯誤を繰り返したそうだ。カレーにブレンドする「甘くなるソース」は、ハチミツをベースに、りんご、マンゴー、ライチ、パイナップルなどの果汁を調合して生み出した渾身の出来栄え。 開発担当者によると「最初は『とび辛スパイス』のような粉末で考えていたが、粉だと固まりやすかったことから液状ソースに行きつきました」と開発の工夫を話す。 「甘くなるソース」は、昨年の11月から愛知や東京などの直営店30店舗でテスト導入されていたそうだ。その際SNSなどで話題になったため全国導入が実現したとのことで、それらの反響の声が無ければお蔵入りになっていたかもしれない。