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性暴力を「なかったこと」にするな! 被害者が語る5年間の“セカンドレイプ”闇の実態

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週刊女性PRIME

 性被害を訴える女性の「告発記事」がSNS上で反響を呼んでいる。福祉団体で活動中、性暴力を受けたにもかかわらず、被害の口外をとがめられ、黙殺され続けてきたのだ。打ちのめされてなお声を上げた「本当の理由」を、女性が週刊女性だけに打ち明けてくれた。 【写真】性暴力の被害を告発した田中さん(仮名)、事件が発生した『べてぶくろ』の外観ほか

相談相手は心配するどころか……

「福祉団体に関わる中で、外部の関係者から性暴力を受けました。スタッフや責任者に相談しても十分に話を聞いてもらえず、警察に届け出ることも止められ、被害をなかったように扱われたのです」  そう打ち明けるのは田中慶子さん(30代=仮名)だ。事件は2015年9月、東京・豊島区の『べてぶくろ』と呼ばれる福祉団体で起きた。自治会のイベント準備中、そこへ出入りしていた地域住民の鈴木章氏(仮名)から性暴力被害を受けたのだ。 「当時、午後4時まで介護ヘルパーの仕事をしていました。仕事を終えて『べてぶくろ』のある町会の会館へ行くと、スタッフの高橋五郎さん(仮名)に“鈴木がいるから、お酒の相手をして”と言われました。お酒がなくなり、鈴木氏と2人で奥の部屋に酒を取りに行ったら、そこでキスされたんです。両手で押しのけましたが、勝手口のドアに追いやられ、無理やり胸を触られ、下着の中に指を入れられました」  事件直後、田中さんは高橋さんに相談の電話をしている。 「高橋さんは“明日、話を聞くから”となだめるようなことを笑いながら言い、電話が切れました。翌日にも話をしましたが、性被害に遭ったのに、その場で対応しなかったことの謝罪はなく、心配しているようには見えませんでした。そればかりか(性被害について話すと)“地域で生活しづらくなるけど、覚悟はあるの?”と、強く迫るようにも、とがめるようにも言われました」  それ以後、田中さんは5年もの間、『べてぶくろ』の関係者から事件を軽視され、訴えかけても黙殺されてきた。性被害を明らかにした後、周囲の対応や言動でさらに傷つけられる行為を「2次被害(セカンドレイプ)」という。積極的に関わってきた団体から2次被害を受け続けた田中さんは、傷を深め、うつに苦しむようになる。ヘルパーの仕事も続けられなくなり、退職を余儀なくされた。  田中さんが『べてぶくろ』と関わり始めたのは大学生だった'11年10月ごろ。もともと、精神障害などで生きづらさを抱える人たちの居場所として知られる、北海道浦河町の社会福祉法人『浦河べてるの家』(以下、『べてる』)に魅力を感じていたという。 『べてる』では「当事者研究」という取り組みが行われている。精神疾患や生活上の困りごとを抱える人たちが自ら独自の“病名”をつけ、症状や生きづらさの意味を一緒に考え、解消法を語り合い、病気を抱えながらも豊かに生きる方法を探っていく。画期的な活動としてNHKなど多数のメディアが取り上げ、海外からも注目を集めている。  この『べてる』の関連グループで、東京の拠点のひとつが前述した『べてぶくろ』だ。'10年に複数のNPOなどが関わる形で活動が始まり、参加者が自主的に運営している。実質的責任者は向谷地宣明さん。『べてる』の理事、向谷地生良さんの長男だ。 「私が『べてぶくろ』とつながったのは、うつでつらい時期でした。元彼がDV男で(DV被害の影響を)引きずっていたんです。そんなときに『べてぶくろ』が東京に設立され、行くことができてうれしかったです」(田中さん)

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