BAND-MAID、さらに広い世界へ 新作『Unseen World』ロングインタビュー
メイド服を身に纏い、強力極まりないハードロックサウンドを鳴り響かせるBAND-MAID。 【全ての写真】BAND-MAID メンバーソロショット(全8枚) 日本国内はもちろん、海外でも着々と高い人気と評価を確立している彼女たちの進化は止まらない。最新アルバム『Unseen World』も、濃密な作品となった。テーマとして掲げられているのは「原点回帰/現点進化」。「初期を彷彿とさせる作風/現在地点と未来を示す新機軸」を感じさせてくれる全曲が、熱いエネルギーの塊だ。 確かな演奏スキルと豊かな表現力で裏打ちしながら、未知の世界へと果敢に飛び込む心意気を描いている様が、我々リスナーの心も鼓舞してくれる。このアルバムについて5人に語ってもらった。
「ライブ感は忘れないようにレコーディングしよう」というのもありました(SAIKI)
――「原点回帰」と「現点進化」がテーマだったそうですね。 小鳩ミク(以下小鳩):そうですっぽ。最近はずっとそうなんですけど、常に曲を作っているんですっぽ。「いっぱい出来てきたね」ってなった時に、方向性がばらばらな感じだったので、「どうやってアルバムとしてまとめようか?」ということになり。「原点回帰と現点進化という2つのコンセプトで分けたら、まとまり良く1枚にできるんじゃない?」という話になりましたっぽ。 ――「原点回帰」と「現点進化」は、それぞれどのようなイメージですか? 小鳩:「原点回帰」というのは、もともとのBAND-MAIDの感じですっぽ。初期は今とちょっと雰囲気が違っていたりして、その頃が好きなご主人様(男性ファン)、お嬢様(女性ファン)もたくさんいらっしゃるんですよね。当時はいただいた楽曲を演奏していたので、「今なら、その頃を感じさせるような楽曲を自分たちだけで作ることができるんじゃないか?」というのがあったんですっぽ。そして「現点進化」は、今の私たちであり、今後の私たちにも繋がりそうな挑戦的な部分が見える楽曲たちですっぽ。 MISA:今回、バンド全体のいろんな面で幅が広がったと思います。私のベースに関してもじっくり考えて、やったことのないようなフレーズを入れることができましたから。 KANAMI:作っていた頃の「フェスがやりたいんじゃー!」みたいな気持ちとか、コロナ禍で沈んじゃった気持ちは、その時にしか感じられないものだから、そういうのを楽曲として残しておこうっていうのもありましたね。 小鳩:「早くお給仕(ライブ)したいね?」って、しょっちゅう言ってたっぽね? KANAMI:うん。 小鳩:海外のご主人様、お嬢様からの「早くうちの国に来てください」っていう声もたくさんいただいてますっぽ。ここ数年、毎年必ず海外ツアーをやっていたんですけど、去年は残念ながらできなかったんですっぽ。 SAIKI:そういう状況だったので、「ライブ感は忘れないようにレコーディングしよう」というのもありました。考える時間もいっぱいあったので、よりご主人様、お嬢様がハッピーになれるものを楽曲に落とし込みたいというのも思っていたんです。あと、STAY HOME期間はメンバー全員が自宅機材をレベルアップさせて制作環境を整えたというのも大きかったです。私も仮歌を録れる環境にしました。 ――制作環境を整えたのは、制作面でのメンバー同士のコミュニケーションという点でも、かなりプラスになったんじゃないですか? SAIKI:そうですね。みんなと密に連絡を取り合えるようになりましたし、音の面でも良くなったんです。その点をKANAMIちゃんがとても喜んでいました。 KANAMI:デモのミックスがやりやすくなって、とてもありがたかったです。 ――去年、自宅の制作環境がグレードアップしたミュージシャンは、多いみたいですよ。動画編集が上手くなった人もたくさんいますし。 AKANE:お給仕ができない期間に「ご主人様、お嬢様を喜ばせることができないかな?」ってなって、ファンクラブのコンテンツを盛り上げていた時に、メンバーのプライベート、趣味とかが垣間見える動画を撮ったんです。私、その動画の編集が楽しくなっちゃって(笑)。今後もバンドに役立てられそうなことを覚えられました。 ――配信ライブも、こういう機会がなかったら、やることにはなかなかならなかったでしょうね。 小鳩:そうですっぽね。配信お給仕は海外のご主人様、お嬢様にも観ていただけて、新しい出会いに繋がりましたし、普段なかなかライブに来られないご主人様、お嬢様にもすごく喜んでいただけて、BAND-MAIDの新しい武器になったと思いますっぽ。