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白石麻衣の写真集『パスポート』はなぜ売れ続ける? “乃木坂46の開拓者”の功績

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リアルサウンド

 2020年に入り、乃木坂46の写真集発売のペースが早くなっている。  現在までに今年刊行されたのは山下美月『忘れられない人』、与田祐希『無口な時間』、秋元真夏『しあわせにしたい』の3冊。5月27日には堀未央奈の2冊目となる写真集も予定されており、昨年の5冊(生田絵梨花『インターミッション』、高山一実『独白』、斉藤優里『7秒のしあわせ』、桜井玲香『視線』、『乃木撮 VOL.02』)に早くも並ぶ勢いとなっている。 【画像】今年発売された乃木坂46メンバーの表紙画像 ■きっかけとなったのが『パスポート』  加速し続ける乃木坂46の写真集のムーブメント。ことの始まりとなったのは、遡ること3年前、2017年2月に発売された白石麻衣の2nd写真集『パスポート』が大きなきっかけである。累計発行部数は50万部、累積売上は38万部、31度の重版と驚異のロングセラーを続ける、もはや説明不要の金字塔。昨年は講談社による「野間出版文化賞」を受賞し、今年2月には白石の卒業を記念した「限定カバー版」が発売された。  では、なぜ白石の『パスポート』がここまで支持される作品となったのか。それは白石のグループにおける立ち位置がひとつの理由に挙げられる。乃木坂46の開拓者と言われる白石は、初のソログラビア(2011年11月『FLASH)、メンバー初のテレビ番組レギュラーMC(2013年11月『うまズキッ!』(フジテレビ系))、グループ初の専属モデル(2013年3月『Ray』)と様々な場面で先陣を切り、2014年12月に発売された白石の『清純な大人』はグループ内で初のソロ写真集だった。  『パスポート』は発売当時、“乃木坂史上最高セクシーショット”という見出しとともに、新聞に先行カットが掲載された。グループ初のランジェリー姿が解禁となった作品でもある。Twitterをメインに購買意欲を促進する斬新な企画は、後に発売する多くの出版社が参考にしており、現在はWEBニュースでの公開が主流になっている。先述した山下、与田、秋元においてもランジェリーショットは話題作りの起爆剤となった。『パスポート』の巻末インタビューで白石は「ほかのメンバーにはできないことに挑戦したいと思ったし、やるなら中途半端なものにはしたくなかったので」と答えており、その先駆者として見事なスタートを切ったと言える。  『パスポート』の凄みは、発売から3年が経った今でも時の流れを感じさせない点だ。白石は当時24歳。アメリカのサンディエゴとロサンゼルスで4日間にわたって撮影された本作には、白石の多彩な表情が収められている。ドレスやワンピースを着飾ったモデルとして凛と佇む姿から、街の人々と戯れる笑顔の白石まで。「セクシーなシーンは女性にも共感してもらえるようなカットをセレクトしたり」と話す白石の言葉通り、多くが健康的で清潔感のある写真だ。中でも、見開き2ページ、5カットを使って笑顔の白石がスルンとGパンを履く一連の流れは、彼女の人柄が滲み出たユーモラスなショット。男性だけでなく、多くの女性ファンも『パスポート』を手に取る理由が頷ける。また、女性のスタッフが多かったことで白石も不安や抵抗がなくリラックスして撮影できたと語っているが、その点も山下や与田といった後続の撮影の慣例になってきているだ。 ■何年経っても古くならない傑作  一方では、一糸纏わぬ鮮烈なショットもある。青の海岸線をバックに、白石がオーバーオール1枚だけを着る横からのショットは、発売当時ファンに大きな衝撃を与えた。今改めて『パスポート』を見てみると、フルーツを素手で掴み大胆にかじりつくショットは、山下が『忘れられない人』で指に付いたザクロを舐める艶やな1枚を、さらに下着の紐に親指をかけるカットは秋元が『しあわせにしたい』でショーツに手を差しこむ様子を想起させるものがある。そういったポーズや写真の構図としても、先行した目新しさが『パスポート』には存在していた。  『パスポート』というタイトルと秋元康が写真集帯に綴った「白石麻衣は、もう、どこへでも行ける」というコメントは、3年の時を経て、さらなる意味を持ち白石の卒業にエールを送っている。様々な記録を塗り替え、アイドル写真集におけるパイオニアとなった『パスポート』は、白石だけでなく、乃木坂46においても新たなターニングポイントをもたらした作品だ。

渡辺彰浩

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