小島慶子「風の時代」ならではの人間関係を考えよう【令和女子のための新・教養】
オトナになるって楽しい!小島慶子の令和女子のための新・教養
占星術の世界では、2020年の12月下旬に大きな転機があったそうです。「約200年続いた“土”の時代が終わり、“風”の時代に変わった」のだとか。 小島慶子【令和女子のための新・教養】はこちら! 土は所有、風はシェアを象徴するそうです。「手に入れること・形にすること」から「分かち合うこと・変化すること」へと豊かさの質が変わり、国境や文化の違いを超えて、共生する時代へ。占いを信じるかどうかは別として、この考え方は、確かに今の時代を表している気がします。年の初めに、働き方や人間関係を見直してみるのもいいかもしれません。 インターネットの普及とグローバル経済の発展に伴い、ここ20年ほどで地域や国境を越えた交流が加速しました。読者の皆さんはまさにその流れとともに成長した世代ですよね。さらに2020年はパンデミックによってリモートワークが増え、公私共にオンラインでの交流が定着した感があります。 都市部から自然のある地域へと引っ越す人も増えました。若い世代を中心に、仕事最優先の生活から働きながら人間らしく生きられる環境へと軸足を移す人が出てきたのです。
同時に、課題もあります。競争が激化して社会の二極化が進み、富める者はより豊かに、貧しい人はより貧しくなるばかりです。正規雇用と非正規雇用の格差、男女の格差もあります。 パンデミックでは、非正規雇用で働く女性が真っ先に打撃を受け、70万人以上もが仕事を失いました。単身女性やシングルマザーの貧困が深刻化し、経済的苦境やDV被害などの影響で、女性の自殺者数が増加しています。 これは’00年代以降、「主な働き手は男性で、女性の仕事は補助的なもの」という昔ながらの価値観を温存したまま、都合よく使い捨てできる非正規雇用を増やしてきた結果とも言えます。 ’10年代には「女性活躍」の掛け声のもと、働く女性を増やす動きがありましたが、増えたのは低賃金で働く非正規雇用の女性でした。パンデミックで最初に解雇されたのはそうした女性たちです。 時代の狭間で、旧来の性別役割の押し付けという“土”の時代の弊害と、変化の大きい新しい“風”の時代の要素が掛け算となって、女性を追い詰めています。