【ボクシング】注目のバンタム級戦、明日ゴング。王者・栗原、井上拓真ともにPCR、計量をクリア!
好カードが続く日本人対決のひとつ、東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦、チャンピオン栗原慶太(28歳=一力)対元WBC世界同級暫定王者・井上拓真(25歳=大橋)の一戦が明日14日、東京・後楽園ホールで行われる。前々日12日にはPCR検査、前日13日は計量が行われ、ともに陰性結果、また栗原はリミット100gアンダーの53.4kg、井上はリミットの53.5kgでいずれもクリア。あとはゴングを待つばかりである。
「拓真選手は国内のバンタム級ナンバーワン。元世界王者で実力も実績もすごいし、これまで国内の強豪も倒してきているのでリスペクトしています」。栗原は、井上への賛辞を並び立てる。が、もちろんそんな相手と戦える喜びを表しているだけではない。 現在、IBF4位にランクされる栗原とWBC7位、WBO6位にランクされる井上。勝てば井上の名前、実績を飲み込めるだけでなく、“世界”も現実に見えてくる。チャンスがそれだけ広がるからだ。 「僕が彼にどれだけ通用するか。“挑戦”って感じですね。(拓真の試合を)何試合か見ていて、少しプレスをかけながら、引いてカウンターという戦い方が多い。それをさせないで僕がプレスをかけるのが理想」と語る。
一方、WBC王座統一戦でノルディーヌ・ウバーリ(フランス)に判定で敗れ、初黒星を喫した井上は、これが復帰戦となる。相変わらず、ハードなマッチメイクだが、さすが“井上家”の臨み方だ。 「(栗原は)パンチはありそうだなってイメージ。1発だけは気をつけて戦いたい。打たせないで打つを徹底して、流れの中で倒したい」と展開をイメージする。 もちろん、ウバーリへのリベンジマッチを強く望んでいるが、栗原に勝てばOPBF王座だけでなくIBFランキングも獲得できる。選択肢を増やしておくことも大事だ。 「相手の対策というよりも、ディフェンスも攻撃も自分のレベルアップを心がけてやってきた。自分がやりたいボクシングを貫き通したい。今回は、また世界に行くための通過点」。言葉だけ聞けば“眼中になし”と聞こえるが、初めて向かい合う栗原にも対処、反応できるという自信があるのだろう。それだけのことを幼少から積み重ねてきたのだから当然だ。