「義妹」が私たち夫婦の家がある土地に、3000万円の「注文住宅」を建てるそうです。夫や義両親は賛成なのですが、金銭面でトラブルは起こらないでしょうか…?
考えられるトラブルとその対処法
相談者が反対しても夫や義両親が許可をして家を建ててしまった場合、これから起こり得るトラブルはどのようなことが想定されるのでしょうか。ここでは起こり得るトラブル例と対処法を考えていきます。 ■担保設定に関するトラブル 土地の所有者が相談者夫婦であり、かつ義妹の住宅ローンの担保として土地に抵当権を設定していた場合を考えます。義妹のローン返済が滞ると、金融機関は抵当権を設定している土地を売却するなどして現金化を図ります。 そうなると同じ土地に家を建てて住んでいる相談者にも影響が出る可能性があります。それを避けるためには、土地を分筆して義妹に購入してもらってから、そこに家を建てるという方法が有効です。 ■相続発生時のトラブル 土地の所有者が義両親名義で、そのまま家を建てた場合を想定してみましょう。仮に土地の名義人が義父で、その義父が他界した場合、土地の相続を義母と夫、義妹で行うことになります。 法定相続分は義母が半分、残った半分を夫と義妹で2等分(4分の1)することになりますが、この際に土地をどうするのかといったトラブルが起こる可能性が出てきます。そうならないためには、義父が健在のうちに土地を分筆し、義父から買い取るなど対策を講じておく必要があるでしょう。
トラブルを未然に防ぐためによく話し合おう
今回のように、同じ敷地内に別の親族の家が建ち、敷地内同居となるケースは、両親のちょっとした善意や兄妹仲から起こり得る話と言えるでしょう。 お金が絡んでくると兄妹仲がよくてもギスギスした関係になることも想定されます。そうならないためにも、不動産や相続実務に詳しい専門家などに相談してトラブルの芽を摘んでおくことが大切です。 執筆者:宇野源一 AFP
ファイナンシャルフィールド編集部