「テレビが映らない」「水漏れが止まらない」などとの通報も 埼玉県警が受理した110番、43秒に1件のペース 悪質ないたずらは2万件超 県警、適正な利用を呼びかけ 映像通報システムの浸透も目指す
埼玉県警が2024年1~11月に受理した110番は69万691件で、前年同期比で1万5005件減少したことが県警のまとめで分かった。そのうち、誤発信やいたずらなどの緊急性のない通報は11万5880件で、同比3万440件減少したものの全体の約2割を占めた。10日の「110番の日」に合わせて、県警は不要不急の通報への注意喚起など適正な利用や映像通報システムの活用を呼びかけている。 福原遥さん、通報の多さに驚き…「緊急性のない場合は相談専用電話へ」と呼びかけ
県警通信指令課によると、緊急性のない通報の中には「テレビが映らない」「水漏れが止まらない」など、警察業務と関係のないものも見受けられ、悪質性の高いいたずらは2万8043件だった。近年ではスマートフォンなどの普及を背景に誤発信も多く、1万6981件に上った。 通報者のスマートフォンなどから現場の写真や映像を即時的に警察側に送信することができる「110番映像通報システム」は23年4月から、全国の都道府県警察で導入された。視覚的に現場の状況を把握して、警察官の初動対応の精度を高めることが可能になったという。 県内では行方不明者の保護や、自殺企図者の母親から対象者の写真を送信してもらい捜索したケースなどに活用されたが、24年1~11月で94件にとどまっている。同課は、言葉だけでなく視覚情報を共有できれば警察業務の効率も上がるとして、さらなる浸透を目指す。 110番の受理は1日平均に換算すると2068件で、約43秒に1件のペースだという。不要不急の通報が多いと、事件や事故の対応に支障が出る可能性があるとして、同課の川島将宏課長は「110番通報は緊急時のための専用ダイヤル。適正利用を多くの人に知ってほしい」と指摘。運転免許証の更新や落とし物などの問い合わせは各警察署、その他の相談などは警察相談専用電話「#9110」の利用を呼びかけている。