「新たな人事」にむけて:新型コロナ対応でテレワーク中の社員に、人事が今こそ届けるべきメッセージとは?【#コロナとどう暮らす】
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?プロティアン・ゼミは7回目になりますが、ゼミがスタートした時点では想定もし得なかったことに私たちは直面しています。 私たちが今、直面していることとは、新型コロナウィルスの猛威による「働き方」の歴史的な転換です。まず、次の6点を意識して、働き方をシフトしなければなりません。 働き方の新しいスタイル (1)テレワークやローテーション勤務 (2)時差勤務でゆったりと (3)オフィスはひろびろと (4)会議はオンライン (5)名刺交換はオンライン (6)対面での打合せは換気とマスク (出典:厚生労働省ホームページから一部抜粋 田中作成 2020) 「ゆったり」「ひろびろ」「オンライン」。誰もが即座に理解できる平易な言葉でまとめられた「新しい働き方」は、これまでの働き方の前提を大きく見直す「大胆」な提案です。私は、この転換は働き方のマイナーチェンジではなく、働き方のフルモデルチェンジになると判断しています。 「見えない敵」である新型コロナウィルスとの「戦い」は長期戦です。「新たな働き方」にシフトできない企業は、経営を存続できないほどに大きなダメージを被ることになります。「新たな働き方」へのシフトは、「新たな人事」なしでは成し遂げることができません。現在導入されているテレワークやローテーション勤務は、「暫定的な対応」として多くの社員には理解されています。 この「暫定的な対応」期間に、「働き方」を支える人事部が、迅速に「新たな人事」施策を構築していかなければならないのです。これからプロティアン ・ゼミでも、「新たな人事」について考えていくことにします。それも机上の空論ではなく、現場にすぐに取り入れることができるように具体的な内容を共有していくことにします。 さて、その入り口として今、向き合うべきなのは、次の質問です。 Q.新型コロナ対応でテレワーク中の社員に、人事が届けるべきメッセージとは何でしょうか? 皆さんは、どのようなメッセージを届けますか? 私が人事の立場なら、「今こそ、ビジネス資本を集中的に蓄積するように」とメッセージを発していきます。 その理由は、主に二つあります。 一つ目の理由は、ワークコミュニケーションのシフトです。オフィスでの対面ワークをテレワークで全て代替することはできません。オフィスでの日常的なやりとりを、そのままテレワークに持ち込むのであれば、社員は疲弊します。対面ワークとテレワークとは異なるものだと理解し、人事としてはそのようなメッセージを発信するように心がけます。 二つ目の理由は、産業構造の転換です。いずれの業界のいかなる職種であれ、変化への適合(アダプト)が求められているからです。新型コロナ・パンデミックは、産業構造の転換をもたらします。私は毎朝、東京商工リサーチと帝国データバンクの倒産データの詳細を確認しています。コロナ・パンデミックによる産業構造の転換を、感覚的なものとしてではなく、既存の事業構造の市場淘汰として目を背けることなく、把握するためです。人事は希望的観測で施策を講じることはできません。市場の動向や産業構造の転換の中で、適切な施策を講じるべきなのです。 この二つの状況点を社員に伝えた上で、今こそ、ビジネス資本の集中蓄積に取り組むようなメッセージを届けていきます。