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『2つの山口組』分裂5年 「出れば自滅」は本当なのか?

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 日本最大の暴力団・六代目山口組が分裂して神戸山口組が結成され、27日で5年が経った。分裂した2015年は、神戸で山口組が誕生して100年の節目だった。分裂から1年半が過ぎた2017年4月には神戸山口組の一部が任俠団体山口組(現在は絆會)として離脱したが、抗争が激化したのは六代目山口組と神戸山口組という「2つの山口組」だった。  神戸山口組は、六代目山口組の母体「弘道会」(本拠地・名古屋市)主導の、徹底的な管理主義ともいえる組運営や、下部組織に上納金を厳しく求める姿勢に不満を募らせた「山健組」(本拠地・神戸市)を中心に結成された。いわば今回の分裂は弘道会と山健組、名古屋と神戸の対立という図式となった。  分裂後、 組員どうしの小競り合いが断続的に続き、半年が過ぎた2016年3月には警察庁が対立抗争状態と認定した。抗争が本格化したのは2019年4月以降。神戸市、尼崎市で繰り返された抗争事件で死傷者が出たため、兵庫、大阪、愛知など6府県の公安委員会が2020年1月、両組織を特定抗争指定暴力団とした。  この流れについて兵庫県警幹部は「昭和の『山一抗争』の時代とは異なり、平成に施行された暴力団対策法(1992年)や暴力団排除条例(2009~2011年・全都道府県)などの効果を思い知らせる契機になった。ましてや特定抗争指定暴力団ともなれば、事務所は使えず、組員が集合できないのだから」と指摘する。  特定抗争指定暴力団となった2つの山口組。「警戒区域」とした10市で5人以上で集まることを禁じた。2020年5月に岡山市で神戸山口組系幹部が銃撃される事件が起きると指定は10府県に、警戒区域は16市に拡がる。  入念な情報収集を続ける兵庫県警・暴力団対策課や組織犯罪対策課の捜査員は主に六代目山口組担当と神戸山口組担当とに分かれている。  「やはり出ていった方が負け。自滅する。これは山一抗争も同じ。組織の分裂とはそういうもの」。六代目山口組担当だった元捜査員は2015年の分裂時にこう断言していた。  神戸山口組担当の捜査員は「山健にはもう資金力がない。厳しい法律の縛りで山菱の代紋を使ってシノギ(資金獲得)ができないのだから、もはや暴力団として体をなしていない。結局は法律には勝てない」と指摘する。 こうした中、2020年7月には山健組自体が神戸山口組からの離脱を表明したという情報が飛び交った。折しも山健組の組長は2019年の抗争に自ら「ヒットマン」として関わり、殺人未遂・銃刀法違反罪で起訴され、勾留が長期化しているが、神戸山口組が下部組織に課す高額の上納金や運営のあり方に不満を募らせているという。  昭和の時代に起きた山一抗争は、表面化した1984年8月から、「出ていった」側の一和会が降伏した1987年2月までとされる。さらに一和会は1989年3月に会長の引退と解散を宣言し、会長が山口組側に謝罪して消滅した。その期間は4年あまりにわたった。  平成から令和にかけて対立する「2つの山口組」。六代目山口組の中核組織・弘道会は、名古屋を拠点とし、中部国際空港建設にからんで富を築いたとされる。今も水面下で違法な経済活動をしている疑惑は尽きないが、警察当局が確たる証拠をつかむのは難しいという。  一方の神戸山口組は、拠点とする神戸での資金獲得に難航している。ここに法律がボディーブローのように効いている。  兵庫県警幹部は「出ていった神戸山口組側の求心力は確かに低下している。しかしこれが即、抗争終結につながるという安易な考えは毛頭ない」と話す。  そして「我々の目的は、2つの山口組の和解=手打ちではなく、暴力団組織そのものを消滅させるためにあらゆる法令の適用を駆使すること。これを粛々と進めるしかない」と続けた。  警察庁によると、神戸山口組は発足した2015年に約2800人だった構成員が、2019年末には約1500人まで減っている。特定抗争指定以降は流出がさらに増え、六代目山口組に復帰する組員もいれば、直系組長が引退した、という情報もある。対する六代目山口組の構成員は約4100人。依然として国内最大の暴力団組織とされている。

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