バングラデシュ首相国外脱出 軍トップが暫定政府樹立発表
ダッカ、バングラデシュ、8月6日 (AP) ― 公務員採用枠の廃止を求める学生らが始めた抗議行動が暴力に発展し、首相の即時辞任を求める反政府デモに拡大したことを受けて、バングラデシュのハシナ首相は8月5日、辞任を発表し、家族とともに軍のヘリコプターでインドに逃れた。 同首相の国外脱出は、人口密度の高いこの国にさらなる不安定要素をもたらす恐れがある。 首都では、数万人のデモ隊がハシナ首相の公邸、与党「アワミ連盟」の施設や一族と関係がある建物に押し入った。 軍のトップであるワケル・ウズ・ザマン参謀総長はテレビ演説で、野党の政治家や市民社会の指導者たちと会談し、暫定政府の樹立について大統領の指導を仰ぐと述べた。 同参謀総長の演説が終わった後も、デモ隊はは首相公邸から家具を持ち去るなど、略奪は続いた。また、与党の主要事務所と、政府寄りの主要テレビ局2社に放火した。 政府職採用枠に不満を募らせた学生たちが、同採用枠廃止を要求して最初は平和的に始まったデモはその後、ハシナ首相と与党に対する挑戦へと姿を変え、4日の抗議運動では警察官14人を含む少なくとも95人が死亡、100人以上が負傷。また、ここ数週間で1万人以上が逮捕拘束され、小学校から大学まで封鎖された。 (日本語翻訳・編集 アフロ)