均一化から個性回帰へ。Nothing CEOと深澤直人が語る「テクノロジーとデザインの関係性」#TrendBuzz
個性的なスマホやイヤホンなどのプロダクトを手がけるNothingは、「Phone (2a) Special Edition」の日本発売を記念したイベントとして、プロダクトデザイナー深澤直人氏とNothing CEO カール・ペイ氏によるトークショーを開催しました。 均一化から個性回帰へ。Nothing CEOと深澤直人が語る「テクノロジーとデザインの関係性」#TrendBuzz 「テクノロジーとデザインの関係性」をテーマに、デザインやプロダクトのあり方の変化や、AIとの関係性などについて語られた内容をお届けします。
デザインに個性を求める波がふたたび訪れている
携帯電話の「INFOBAR」や、無印良品の「壁掛式 CDプレーヤー」など、数々の印象的なデザインを手がけてきた深澤氏。 「かつてのデザインは、お客さまそれぞれの考えに沿ったものをたくさん作ることがトレンドだった」と振り返ります。 スマホの登場によって、そんなデザインの市場に変化が起こります。皆がiPhoneもしくはAndroidの搭載された端末を持ち、同じOSを使うようになったことで、個性が失われていったのがこの10年ほどの流れでした。 そのような時期を経て、現在は再び個性を求める波が訪れていると深澤氏はいいます。 INFOBARは発売から20年が経ちますが、今も根強いファンが多く、先日発売されたApple Watchケースもすぐに完売しました。そうした楽しいアイデアは、これからまた広がっていくんじゃないかと思います。(深澤氏)
デザインが主体となってものづくりをするのがNothing流
そして、そんな個性を求めるニーズに応えるようなプロダクトを開発するのがNothingです。 同社は「テクノロジーをおもしろいものにする」という信念のもとに設立。ブランドのコンセプトを立ち上げた際は、過去のプロダクトデザインをはじめ、さまざまなものからアイデアを取り込んで将来的な方向性をまとめたブランドブックを制作するところからスタート。 ミッションを達成するために、デザインをツールとして使っていこうと考えたといいます。 Nothingはデザイナーの夢を考える会社になりたいと思っているので、デザインチームは会社の中でも非常に力を持っています。それによって非常にアイコニックなデザインプロダクトを作ることができるのかなと思っています。(ペイ氏) 見た目のデザインだけではなくパッケージ全体を考えていく必要があるといい、ハードウェアやUXにも力を入れています。ライバルとして意識しているのは、ほかでもないiPhoneです。 iOSの人気が高いのは、使いやすくうつくしい点にあると思っています。Nothingは、Androidで競合としてiOSに対抗できるようなものを作りたいと思っています。(ペイ氏)