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中園ミホが『やまとなでしこ』を描いた理由「恵まれた環境のお嬢様は書けない」

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婦人公論.jp

今夜、最高視聴率34.2%を叩き出した伝説のドラマ『やまとなでしこ』の20周年特別編が放送される。松嶋菜々子演じる神野桜子と堤真一演じる中原欧介の嘘から始まる恋物語だ。脚本家は中園ミホ。『ハケンの品格』『Doctor-X 外科医・大門未知子』、NHK連続テレビ小説『花子とアン』、大河ドラマ『西郷どん』と次々に話題作を紡ぎ出す中園の素顔は? 前編はその生い立ちに触れる。(取材・文=水田静子 写真=野村佐紀子) 【写真】未婚の母となり、仕事への考えが変わった * * * * * * * ◆主人公が誰であれ“人間”そのものを書きたい 「何でも聞いてください」 約束したレストランにやって来た中園ミホは、軽めの赤ワインを口にふくむとそう言った。たおやかな色気を持つ女性だが、目の光は強い。「嘘が苦手なので、ぶっちゃけますから」と笑う。 女の本音をセリフで語らせたら、当代随一といわれる。人気脚本家、中園が生み出すヒロインたちは、女性たちの熱い共感を呼び、次々と驚異的な視聴率を叩き出してきた。 代表作『やまとなでしこ』(フジテレビ系)で、松嶋菜々子が演じた神野桜子は、ひたすら玉の輿をめざす女性。極貧であった育ちから「お金は絶対、女を裏切らない」と言い切り、『ハケンの品格』(日本テレビ系)では、篠原涼子が扮するスーパー派遣社員、大前春子に「ハケンですが、それが何か?」と言わせた。 さらに『Doctor-X 外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)で、米倉涼子が演じたフリーの凄腕ドクターは、大病院の上役に向かって「(雑用など一切)いたしません」と、クールに言い放つ。 中園の書くヒロインたちは、おしなべて逆境を生きている。打算家のようで実は純粋、真っ直ぐな女たちである。 「『やまとなでしこ』は最初、制作陣から、こんなヒロインで大丈夫かという声が上がりました。私自身も絶対的な自信があったわけではありません。でも放送後に大変な反響があった。この時、女たちが言えずにいる本音を、きれいごとでなく書いていいのだ、そう思いました」 『ハケンの品格』は、初めて自ら発案、企画した脚本であった。ある時、派遣社員という身の大変さを耳にした中園は、今、自分が書くべきだという思いを滾らせる。執拗に取材を重ねることでも知られる中園は、身銭を切って、毎週のように派遣で働く女性たちと飲み会をした。 「でも、なかなか本当のことを言わない。半年ほど経って、ある人がぽろっとセクハラを受けた話をしたら、皆、まるでダムが決壊するように本音を話してくれた。聞くうちに怒りがこみ上げてきてどうしようもなかったですね。立場が弱い人間だからクビを恐れて『あなたのほうが間違っている』と言えず、皆、こらえて胸に納めていた」

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