<独自>バイデン氏 岸田氏に謝意「約束守らなかったことない」 最後の首脳会談
【ワシントン=坂本一之】バイデン米政権でインド太平洋政策を担った国家安全保障会議(NSC)のラップフーパー上級部長(東アジア・オセアニア担当)は10日、産経新聞の取材に応じ、昨年9月にバイデン大統領が当時の岸田文雄首相と行った最後の首脳会談で「あなたが約束を守らなかったことは一度もなかった」と述べ、ウクライナ問題などへの取り組みに深い感謝を伝えていたことを明らかにした。政府高官が大統領の会談における発言を公にするのは異例。 【写真】記念撮影するバイデン米大統領と岸田文雄首相=2023年8月当時 バイデン氏は会談で、日米の首脳として互いに協力してきた関係を振り返り「あなたはとても誠実な人だ」と語り掛けた。「私が質問したり、課題を投げかけたり、助けを求めたりしたとき、あなたができなかったことはなかったし、約束を守らなかったこともなかった」と称賛した。 会談は東部デラウェア州にあるバイデン氏の私邸で行われ、岸田氏が前月に首相退任を表明していたため両氏による最後の首脳対話だった。 ラップフーパー氏は、両氏の関係について「深い信頼と友情、互いに尊敬し合う関係だ」と述べた。 バイデン政権は、ロシアとの北方領土問題を抱える日本の岸田氏が、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻開始で米欧と連携しウクライナ支援や対露制裁を実施したことを高く評価。ラップフーパー氏は「岸田氏がインド太平洋地域のリーダーとして世界中の米国の同盟国が(ウクライナ問題で)団結する状況に変えた」と語った。