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「Go To キャンペーン」で高速バス復興なるか 活用には工夫が必要 その中身&その先

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乗りものニュース

国の資料に見えた助成対象「高速バス往復+いちご狩り」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの便が運休した高速バスですが、2020年6月現在、運行再開の動きが続いています。まずは帰省客などの利用に回復が見られ、そして国による観光振興策「Go To キャンペーン」も8月をめどに開始される予定とされており、今後は観光客の利用回復も見込まれます。 【画像】「Go To キャンペーン」の対象となる旅行商品  その「Go To キャンペーン」について、『観光経済新聞』など専門紙は、「調整中の内容も多い」としたうえで、宿泊を含む旅行商品のほか、日帰り旅行にも国による半額の補助を予定と伝えています。補助のうち約7割は旅行代金の割引に使われ、残りは旅行先の飲食店、交通機関などで使える「共通クーポン」として付与される予定とのことです。  対象となる旅行商品でまず思い浮かぶのが、貸切バスを利用する、旅行会社の「バスツアー」です。しかし、出発から帰着まで皆で同行するバスツアーより、個人旅行の需要の方が早く回復しそうです。そこで、高速バスや鉄道など公共交通を使う個人旅行がどこまでキャンペーンの対象となるか、が気になります。  宿泊料金については、宿泊施設に直接予約した場合も対象となる一方、往復の交通については、それ単体では割引とはならないようです。つまり「往復の交通と、宿泊または現地での観光をセットにして、旅行会社やOTA(旅行予約サイト)で取り扱った場合」というのが条件の様子。一部の資料には、対象となる事例として、「高速バス往復+いちご狩り」という表現もみられ、国としても高速バスを支援する意思が伝わります。  ところが高速バス事業者の立場から見ると、キャンペーンを活用するには、少し工夫が必要になりそうです。

ツアー以外では少ない「高速バス+観光」パック

 高速バスは、東京から富士五湖、大阪から有馬温泉といった観光地への路線も充実しています。地方在住者が、コンサートや有名店でのショッピングのため都市へ向かう利用も多く、広い意味ではこれも観光需要といえるでしょう。  しかし、旅行会社に「お任せ」するバスツアーと違い、宿や観光を自身で予約する乗客がほとんどです。そのため、今回のキャンペーンの対象である「旅行会社で、高速バスと観光をまとめて予約」という例が意外と少ないのが現状です。  旅行会社がセット商品を用意すればいい、と思われるかもしれません。確かに、店頭で「〇〇温泉へのバスと宿の予約を」と伝えれば、スタッフが手配してくれます。しかし、いちいち個別に手配するのは、旅行会社としては手間のわりに儲けがありません。一方、パッケージ商品をあらかじめ組むには、両者の在庫(座席と客室)を旅行会社が事前に確保するか、またはITシステムを連携させる必要があります。普段、高速バスの乗客はウェブなど自身で手配する人が多いので、多くの旅行会社は、そこまでの準備をしていません。  両者の商習慣も異なります。旅行会社は、年度を上期と下期に分けて商品を作り、おおむね半年先までの予約を受けています。一方で高速バスは、1か月前(前月の同日)の予約受付開始が一般的です。航空などを利用するパッケージ商品を作る際、旅行会社は「〇時から〇時ごろ発」として予約を受けておき、利用する便が確定してから旅行者に伝えることが一般的です。しかし、高速バス事業者と旅行会社のあいだには、「おおよその時間帯で予約を受けておき、後日に確定」という習慣はなく、ITシステムも対応していません。  それでも、大手私鉄系の旅行会社では、パッケージ商品を用意している例があります。たとえば京王観光は、京王バス東などが運行する高速バスと、河口湖温泉(山梨県富士河口湖町)や昼神温泉(長野県阿智村)の旅館をセットにした「バス&宿」シリーズを用意しています。この商品は、そのままで「Go To キャンペーン」割引の対象になると考えられます。

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