米雇用統計後、再び加速した円安…このまま「1ドル=150円」を超えるのか?→国際金融アナリストの回答
円安が加速した先週の「米ドル/円」。拡大した米ドル反発ですが、米ドル高・円安は一時的な動きであるとマネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏はいいます。その根拠と、今週の相場の展開予測についてみていきましょう。 【画像】「30年間、毎月1ドルずつ」積み立て投資をすると…
10月8日~10月14日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント> ・先週の米ドル/円は、4日発表の米雇用統計が予想より強い結果となったことを受け149円近くまで一段高となった。米雇用悪化トレンドが早々に終了した可能性が浮上し、今後の米利下げ見通しが後退した影響か。 ・ただしテクニカルに見ると、すでに米ドル/円が下落トレンドに転換しているなら、一時的な上昇は足下150.2円の52週MAを大きく越えない可能性が高い。今週の米ドル/円の予想レンジは147~152円で想定。
先週の振り返り…強い米雇用統計受けて米ドル反発が拡大
先週の米ドル/円は、週明けは141円台を付ける場面もありましたが、半ば以降一段高に向かい、一時は149円に迫る動きとなりました(図表1参照)。 2日に石破総理が利上げを急がない旨の発言を行ったことが材料視され、さらに4日発表の米9月雇用統計が予想より強い結果だったことで、9月の米ドル高値147.2円を更新すると米ドル高・円安が加速するところとなりました。 日米10年債利回り差米ドル優位は3%を大きく上回り、8月前半以来約2ヵ月ぶりの水準に再拡大となりました。米ドル/円が上述のように、先週だけで最大7円以上もの大幅な上昇となった動きは、基本的には日米金利差米ドル優位拡大に沿ったものでした(図表2参照)。 ただし、金利差の内訳を見ると、日本の10年債利回りは必ずしも大きく低下したわけではありませんでした。その意味では、日米金利差米ドル優位拡大の主因は米金利の上昇によるところが大きかったでしょう(図表3参照)。 石破総理の「利上げを急がない」旨の発言は、あくまで円売り拡大のきっかけになったということではないでしょうか。では、金利差拡大の主因、米金利上昇の背景について、もう少し詳しく見てみましょう。